vol.02 ファッション誌の新しい挑戦! vol.02 ファッション誌の新しい挑戦! vol.02 ファッション誌の新しい挑戦! vol.02 ファッション誌の新しい挑戦!

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1977年の創刊以来、つねに20代女性に寄り添ってきた「MORE」。 いまを生きる女性たちがなにを思い、感じているのか、改めて向き合いました。 そして生まれた新キャッチフレーズ『選べる私、最高だ!』とともに46年目を歩む 「MORE」のこれからについて、ブランド統括兼Web編集長に聞きました。

「MORE」ブランド統括兼Web編集長

1992年入社、「non-no」、「BAILA」、「éclat」など、集英社の各女性誌編集部を経験したのち、2020年「MORE」編集長。2022年6月から同誌のブランド統括兼Web編集長。

SPECIAL INTERVIEW. SPECIAL INTERVIEW. SPECIAL INTERVIEW. SPECIAL INTERVIEW.
『選べる私、最高だ!』が、2022年からの新しいキャッチフレーズになったきっかけを教えてください。

創刊45周年のタイミングで、「MORE」の読者層である20代女性のいまの気持ちをもう一度見直してみようと考えました。そこで日本全国に住む20代女性3000人へのアンケートやヒアリングを実施、浮かび上がってきたのが、「自分で選びたい」という言葉でした。「自分で納得して決めて、生きていきたい」という意思を持つ方が、とても多かったんです。それは気負いなく日常的に湧き出てくるマインドだったのも印象的でした。どなたも自分なりの意見を持っていて、しかもそれを発信できる能力も高い。そして自分の身の回りのことだけではなく、環境問題やジェンダー、社会に対しても真摯に向き合っている。アンケートやヒアリングを改めて行なったことで、これは5年前、10年前の20代女性とは、また感触が違う、新たな世代が台頭していると感じ、応援していきたいと思いましたね。

それと同時に、創刊号の「MORE」も改めて読み返したんです。「MORE」は1977年に誕生した雑誌で、そのときの編集長が創刊にあたりこんな言葉を書き残していました。「私たちの周辺にはあまりにも多くの物と情報が氾濫しています。(中略)私たちにとってほんとうに必要なものは何か、無視してよい情報は何かを、選別する能力を身につけることが大切ではないでしょうか」(引用:「MORE」創刊号より)。
私は、これを読んで驚いたんですね。もちろん当時は、いまとは全く異なる状況下で、20代女性たちの主体性を必要とされていたと思います。むしろいまよりも“少しとがった感覚”の方に向けて、発信されたメッセージだったかもしれません。そこから45年が経ったいま、20代女性の中で「自分で選べる=ハッピー」という感覚へとつながっている。「MORE」が創刊から持っている核の部分は大事にして、さらにこれからの時代を自分らしく生きる女性を応援するコンテンツを展開していこうと決めました。

創刊号表紙(1977年7月号)

創刊45周年記念号表紙(2022年7月号)

「MORE」というブランドのあり方として、これからはどんなメディア展開を考えていますか?

まずは創刊当時からある紙媒体ですよね。核になる雑誌「MORE」では「選べる私」を前面に押し出す企画を練っていきたいと思っています。いまの「MORE」の読者は、ファッションも、美容も、趣味やスキルアップのための学びも、納得がいくものには自己投資を惜しまない方が多いです。そういう層に向けて、いかにバリューやメリットのあるコンテンツをつくっていけるのかを考えていますね。あとは“紙”の特質を活かした誌面をつくることでしょうか。「MORE」はタレントさんの記事も多く掲載していますが、特装版の表紙や、綴じ込みの特性ピンナップなどの形で、出ていただく方の魅力を表現できるのは、雑誌という紙媒体ならではの強みだと思います。

※2022年7月号

※2022年9月号

※2022年10月号

※2022年9月号

ファッションから読みもの記事まで幅広く、
「選べる」をキーワードに様々な特集を展開。

デジタルコンテンツでは、どんな可能性を考えていますか?

デジタル版「MORE WEB」は、紙ともリンクしつつ、また少し違った“日常感”、“お楽しみ”も意識しています。雑誌は月に1回の発売ですが、Webは毎日情報がアップされるので、例えば「今度のお休みの日にどこへ出かけよう」「空いている時間に何をしよう?」と思ったときに、すぐに役にたつ情報を提供していきたいですね。

新しくはじめた「MORE JAPAN」の取り組みも、そのひとつですか?

そうです。「MORE JAPAN」は、全国各地の魅力をリアルな情報とともに届けるメディアとして2022年にスタートしました。日本全国47 都道府県の魅力を「暮らす」「働く」「旅する」「学ぶ」「味わう」のテーマで「MORE」編集部から発信するとともに、全国各地に住む読者ブロガー組織「MOREインフルエンサーズ」には「日本全国のおすすめ」という記事をアップしてもらっています。彼女たちって、近所のカフェから旅行まで、とにかく自分の足で出かけるのが大好きなんですよ。本当にフットワークが軽いんです! 昨年緊急事態宣言が解除されて、感染対策しつつも少しずつ出かけられるようになった時期に、近場で旅気分が味わえる場所を真っ先にアップしはじめたのも彼女たちでした。いま、お出かけや旅に関する情報はネット上に溢れていますが、逆に情報が溢れすぎていて、自分たちにぴったりしたものを選ぶのが難しいこともあると思います。値段が高すぎるとか、求めるイメージとは少しずれていたりとか。「MORE JAPAN」では、20代女性が「ちょっと息抜きに出かけたり、旅をしたいな~」と思った時に、敷居が高すぎず、それでいておしゃれ心も満たしてくれる場所やモノ……まさに“私が選ぶ”お出かけ先ですよね。そういった情報をみんなで気軽につくり上げるメディアにしていきたいと思っています。「MORE」はファッション誌ですし、ファッションこそ、出かける場所や目的があって「これを着たい!」「こういうコーデにしたい!」と思えるもの。この先は出かける機会が増えてくると思うので、ファッションも盛り上がっていくことを期待しています。

「MORE JAPAN」では日本全国、津々浦々の
気になる話題、美味しいものやイベント情報など最新ニュースを配信中です。

今後のモア編集部にはどんな人が向いていると思いますか?

大きくいうと「いろいろなことを楽しめる人」だと思います。ファッション、ビューティ、お出かけやグルメ、恋愛について、人づきあいなどのコミュニケーション……と、「MORE」では幅広い情報を取り上げています。好奇心旺盛で、世の中のことに広く興味を持てる、ということは大切です。また、SNSなどのデジタルコンテンツと紙媒体の連動を考えられる人でしょうか。ひとつの記事を、どこまで広げて届けられるか、ということを大きな視点でとらえてほしいですね。最近の若手編集部員を見ていると、びっくりするほど、SNSや動画をストレスフリーに使いこなしています。「MORE」では月に1回インスタライブも行なっていますが、登場していただくモデルの皆さんもトークが上手。若い世代の発想や行動力が、「MORE」という45年続いてきたブランドを、さらに広げて面白いものにしていってくれる、と期待しています。

担当企画が決まったら、編集長、副編集長との打合せやライターさん、カメラマンさん、ヘアメイクさんなどと様々な打合せが! 撮影のスケジューリングであったり、撮りたいイメージを伝えるための参考資料などを毎日必死でつくっています。

「MORE」では月に1回インスタライブを実施していて、担当はその月ごとに変わります。 生配信なのでいつもドキドキですが、モデル、美容家、スタイリストなど出演者の方々も皆さんすごく朗らかで盛り上げてくださるので、楽しく配信しています!

撮影時に用意する軽食には気を配ります。コロナ禍なので、個包装かつ簡単に食べられるものをできるだけ選びながら、出演者の方の好物をリサーチして準備します。アイドルの方なら名前を入れてもらったり、モデルの方ならちょっとヘルシーなものにしてみたり。工夫しながら発注しています。

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