集英社の
コンテンツを世界へ
作品・国・地域にあった丁寧な施策で
ライツ事業部 海外事業課
海外事業課では、集英社が日本で刊行する作品をさらに広げていくために、世界各地の出版社などへ翻訳版の許諾をする版権ビジネスを行なっています。
私自身、学生時代にアメリカへの短期留学を経験したことで、異なる文化圏の人々に日本のカルチャーを伝えることに興味があり、集英社作品の読者を世界中で少しでも増やしたい、という気持ちで仕事をしています。
各国の海外版の見本。
様々な作品が翻訳されている。
現在私は、マンガについては韓国や東南アジアの地域担当をしており、海外出版社と一緒に日々、現地でのベストな作品展開方法を検討しています。やはり地域ごとに読者の趣向も書店の流通事情も異なるため、それらを考慮した地域に合った施策を固めることが、難しくもありつつ、やりがいを感じる部分です。
例えば韓国では、デジタル版の読者が多いことや、紙の本もネット書店で売れる傾向が強いことが特徴です。2022年4月にアニメ化された『SPY×FAMILY』は韓国でも同時期にアニメの配信がスタートしましたが、その影響を見越して、4~6月頃にデジタル版のキャンペーンを集中的に組んだり、各ネット書店向けに異なるコミックス購入特典を用意するなど、幅広い展開を強化しました。その結果、アニメ化前よりも飛躍的に韓国での読者を増やすことに成功しています。
海外でも熱意あるマンガ読者が数多くいることを実感していますし、近年は各地域オリジナルの豪華特典付き限定版の企画も多く仕掛けるなど、読者の満足度を高めるべく常に工夫をしています。
韓国での『SPY×FAMILY』特典。
地域性にあった特典で売り伸ばしをはかる。
韓国、東南アジア独自の限定版。
「限定」と言われると欲しくなるのはどこも同じ?
また、マンガだけに限らず文芸書などの書籍でも、例えば中国では『白夜行』をはじめ東野圭吾作品が大ベストセラーになっています。2019年には北京国際ブックフェアへ集英社ブースを出展し、それに私も中心的に携わるなど、書籍の翻訳版をさらに増やしていくために世界各地へ継続的な売り込みをしています。
集英社は世界に誇れるマンガや書籍を多数出版しているので、その魅力を海外に向けてより一層伝えていきたいと思っています。
北京国際ブックフェアでの集英社ブース。
集英社作品を現地書店にアピールする場。