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集英社文庫

これを食べなきゃ ――わたしの食物史――

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著者

著:渡辺淳一

あらすじ・概要

【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】今はなき母の作るイクラ漬。艶めいた絶世の美女のごとく品のよい松葉ガニ。少し失意のときに似合う焼きツブ。少年時代を思い出すトウキビの香り――。北海道に生まれ、豊饒なる大地と海の、旬の味を噛みしめて育った著者が、食べ物へのこだわりと、深い愛着をこめて語る食の自分史、美味なるエッセイ。“食べる”ということは、素材を、季節を、人生を味わうこと。

I(母のいくらを食べさせたい
カニの王者はなまの松葉の炭焼き
バカジャケを食べぬはバカ
陸の成り上がりもの 松茸
焼きツブは娼婦の香り
秋晴れの日にはトウキビとメロン
消えた正調ラーメン
鮟鱇 醜魚にまずいものなし
正月には飯寿司と酒だけあればいい
すっぽんは潤一郎によく似合う
冷んやりと歯にしみるニシン漬け
朝は湯気のご飯に納豆
雪を見ながら湯豆腐
雑煮の夫婦別れ
冬も夏もフグ一筋
凍れる夜には鱈鍋を
竹林を見ながら筍を食う
山菜 貧しさがつくりだした美味
石で割って食べたウニ
蕎麦 この清々しき日本の味
夏には浴衣で鱧の落とし
「いも」なら男爵
イカは噛まずに呑みこむもの
平原で食べてこそ成吉思汗)
II(中国料理への旅・その一
中国料理への旅・そのニ)
あとがき