2022.08.15

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連載25周年を迎えた『ONE PIECE』。集英社を代表する巨大作品を支えるのは…

年代、性別問わず愛される『ONE PIECE』の魅力

2022年8月4日に、コミックスの全世界累計発行部数が5億1,000万部を突破(国内:4億1,000万部以上、海外=60の国と地域:1億部以上)と発表した『ONE PIECE』。1997年7月22日に「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、初回から圧倒的な人気を獲得、以来25年にわたりつねにトップを走り続けてきました。

そんな『ONE PIECE』最大の魅力は、夢を実現するための闘いを描くだけでなく、仲間との友情や、緻密に作り込まれた世界観など、感動し夢中になれる要素がしっかりと描かれていること。性別も年代も超えて幅広いファンを獲得する、型破りの少年漫画なのです。

8月4日発売の最新103巻 ©尾田栄一郎/集英社

8月4日発売の最新103巻 ©尾田栄一郎/集英社

唯一無二の世界観を作り上げる尾田栄一郎氏のこだわり

気になる作者・尾田栄一郎氏のキャラクターはというと、担当編集者曰く「ルフィのような人」。冗談が好きで、人と会って話すことも好き。映画などあらゆるものからインプットをし続けているといいます。驚くのは、漫画家としてのこだわり。メインのキャラクターや人物はもちろん、煙や雲、水や波など、ありとあらゆる“動く”ものは、アシスタントに任せずすべて自分で描いているということ。群衆同士が対決するシーンなどは、途方もない作業量になることも。締め切りギリギリになっても妥協せずに、自らのこだわりをまっとうするそうです。

尾田氏のもうひとつのこだわりは、「子供に伝わるように描くこと」。「子供が理解し、面白いと思ってくれるものを描けば、大人にも面白さは伝わる」という信念があり、その考えに基づいた丁寧な場面演出や物語展開が、『ONE PIECE』が幅広い世代から愛されている要因となっています。

そんな『ONE PIECE』の編集者にとって大切な仕事は、「正しい最初の読者」になることだそう。尾田氏が生み出すアイデアに対し、読者が何を求めているかを、客観的な意見として正確に伝え、打ち合わせを重ねることで、読者の期待を裏切ることのない、毎週の原稿が生み出されていきます。

そして、連載は25年のときを経て、ついに最終章に突入。多くの謎を残した物語は、どんな結末を迎えるのか。今後、1週たりとも見逃すことはできません。

週刊少年ジャンプ35号の表紙 ©尾田栄一郎/集英社

週刊少年ジャンプ35号の表紙 ©尾田栄一郎/集英社

これからも広がり続ける『ONE PIECE』の世界

メディア化や商品化も膨大なこれだけの巨大作品となると、バックアップ体制も特別になります。『ONE PIECE』の場合、連載から10年経った頃からチーム制に。漫画の担当のほかに、アニメやグッズなど『ONE PIECE』としてのクオリティを保つためのさまざまな監修作業をする、メディア担当が複数人になりました。日々、『ONE PIECE』の魅力を伝えるべく、監修・発信作業に尽力しています。

作品が大きくなるにつれ、コラボ企画や大きなイベントなども開催されるように。2012年には東京・六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで初の展覧会を開催。美術館で大々的に漫画の企画展をするのは異例でしたが、大きな反響を呼びました。2015年には『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』として歌舞伎との異色のコラボを成功させたことも話題に。連載20周年を記念した企画展「Hello, ONE PIECE」は、国内のみならずマレーシアや中国など海外にも出張展開。そして現在は、劇場版映画としては15作目の『ONE PIECE FILM RED』が大ヒット上映中で、Netflixでの実写ドラマ化も進行。集英社の各部署で、また社外で、『ONE PIECE』に携わるスタッフは増え続けるばかりです。一丸となって、ファンのみなさんに喜んでいただける企画を展開予定ですので、これからもぜひ、『ONE PIECE』にご期待ください。

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