2025.09.16
デビュー55周年。作家・北方謙三の集大成となる歴史巨編『森羅記』
「元寇」の時代と英雄たちを鮮やかに描く歴史長編シリーズ

『森羅記 一 狼煙の塵』 北方謙三・著 2025年9月5日発売 定価2,090円(税込)
現在、「小説すばる」で連載中の『森羅記』は、作家・北方氏が“最後の長編”と位置づける物語。チンギス・カンの孫であるクビライと鎌倉幕府執権・北条時宗を軸に、元寇の時代を歩んだ人々の生き様を描いた歴史長編シリーズです。
モンゴル、高麗、日本という広大なエリアを舞台にした物語を執筆するにあたり、北方氏は地形や系図などを完璧に頭に入れ、緻密に計算をしてストーリーを構築。クビライや時宗といった実在の主要人物はもちろん、船頭のタケルなど創作したキャラクターを含めた一人一人の個性と美学を、愛ある筆致で描いています。
登場人物の外見などはほぼ描写せず、セリフと行動を中心に、削ぎ落とした文体で丁寧に人間を描いているのも魅力。読み手の想像力を刺激する繊細なストーリーテリングは、既存のファンはもちろん、これまで北方作品に触れたことのなかった読者をも魅了しています。
2025年で作家デビュー55周年

撮影/長濱治
北方氏は、大学在学中の1970年に同人誌に発表した純文学作品『明るい街へ』が雑誌「新潮」(新潮社刊)に掲載され、デビュー。1981年には集英社から『弔鐘はるかなり』を発表し、単行本デビューを果たしました。
以降、『逃がれの街』、「挑戦」シリーズ、「老犬」シリーズなどのハードボイルドをはじめ、「大水滸伝」シリーズ、『チンギス紀』といった歴史小説など、数多くの作品を発表。55年のキャリアで発表した著作は、『森羅記』を含めて252冊に及びます。
集英社では、『森羅記』刊行&作家デビュー55周年を記念し、【北方謙三全著作リスト】が収録された小冊子を作成、全国の一部書店にて配布中(なくなり次第終了)です。「北方謙三 デビュー55周年記念特設サイト」もオープンし、人気シリーズの紹介や、全著作リストを公開しています。
『森羅記』第一巻の発売を記念した一大プロモーション

イラスト/原泰久
『森羅記』の第1巻発売を記念して、作品の特設サイトもオープン。写真家の長濱治氏が撮り下ろした近影やメッセージ動画のほか、北方氏と親交の深い『キングダム』の原泰久氏が描きおろした応援イラストも公開しています。
「小説すばる」で連載中の題字は、担当編集者が「北方氏の著作と魂の親和性が高い」と感じたEXILEのTAKAHIRO氏に依頼し大きな話題となりましたが、単行本の題字は、新たに書家・大迫閑歩氏が書きおろし。北方氏が「強勁(きょうけい/中国語で力強いという意味の形容詞)な文字だ」と絶賛した佇まいに注目です。
10月24日には東京、2026年1月末には福岡でファンとの集いも開催予定。詳細は『森羅記』特設サイトで発表しますので、こちらにもご期待ください。
まだまだ『森羅記』の物語は始まったばかり。北方氏の集大成ともいえる壮大なスケールの歴史巨編を、これからもぜひお楽しみください。