2025.04.15

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少女まんがファンに愛され続けてきた「りぼん」が創刊70年!

“子供向け”として目線を下げず、普遍的な感情をまんがに

「りぼん」が誕生したのは、今から70年前の1955年。集英社初の少女向けまんが誌「少女ブック」の姉妹誌として創刊しました。当初はまんがだけではなく、写真を使った読み物やグラビア、ぬりえやクイズなど、バラエティ豊かな内容の記事を掲載。まんがをメインとする現在の形態となったのは1960年代頃のことです。1994年2月新春特大号は、史上最大の発行部数255万部を記録し、多くの読者から支持を得ました。

小学生から中学生の女の子をターゲットとしているため、まんがとしての読みやすさ、セリフや演出を含めた物語のわかりやすさなど、王道の作品づくりを徹底しています。一方、“子供向け”として作り手が目線を下げないことも、貫いてきたポリシーのひとつ。子供の視線に寄り添うばかりではなく、“子供が楽しめ、大人になって再び出会ったときにも面白く読める、普遍的な魅力のある物語”を届けたいと心血を注いでいるのです。

© 村田真優/集英社

現在の人気連載作品『ハニーレモンソーダ』(村田真優・著)は読者よりも年齢が上の高校生が主人公ですが、人を好きになることのときめきや片思いの切なさ、友達との絆や学校生活の悩みは、どの年代でも理解できる感情。また、「りぼん」が描くヒロイン像には、”自分の意思で行動し、困難を乗り越えて成長していく”という一貫性があります。思わず応援したくなる魅力的なキャラクターや、感情移入せざるを得ない丁寧な心理描写は、「りぼん」作品の最大の強みです。

女性のさまざまな生き方を描いてきた「りぼん」の歴史

「りぼん」の歴史を見渡すと、テーマの多様さや表現の広さが浮かび上がってきます。一条ゆかり氏は、1967年に第1回りぼん新人漫画賞で準入選しデビューを飾ったレジェンド。『デザイナー』『砂の城』『有閑倶楽部』など多くのヒット作で、女性の自立やプライドを持った生き様を読者に示してくれました。

1970年代後半には陸奥A子氏、田渕由美子氏、太刀掛秀子氏らが登場。かわいらしい絵柄とストーリーが特徴の“乙女チックまんが”として支持を集め、「りぼん」のイメージが形作られました。1980年代には現在も人気の名作『ときめきトゥナイト』(池野恋・著)や『ちびまる子ちゃん』(さくらももこ・著)が誕生。「りぼん」を読んで育った世代がまんが家として続々とデビューした1990年代には、『姫ちゃんのリボン』(水沢めぐみ・著)、『ママレード・ボーイ』(吉住渉・著)が話題となりました。

また、社会問題となっていた学級崩壊や体罰など、シリアスな要素を多く盛り込んだ『こどものおもちゃ』(小花美穂・著)や、おしゃれで大人っぽい世界観を打ち出した『ご近所物語』(矢沢あい・著)など、既存のジャンルに縛られない新しい切り口にも果敢に挑戦。子供だけでなく、幅広い年齢層から支持を得ました。

幅広い世代で少女まんがの魅力を楽しめる企画を続々準備中!

70周年イヤーとなる2025年は、歴代人気作品のグッズ化など、多方面とのコラボ企画やメモリアルなイベントを計画中。現在の少女まんがファンはもちろん、かつて「りぼん」を読んでいた大人も懐かしむことができる企画が盛りだくさんです。

これからも「りぼん」は、少女たちがまんがの魅力に触れる最初のきっかけになれるよう、そして少女まんがの魅力をもっと多くの人に知ってもらえるよう、恋愛や学園ものからギャグやホラーまで、幅広いジャンルの作品を取りそろえ、王道のおもしろさを追求し続けます。

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