2023.10.13

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少女まんがの名作を創出してきた「マーガレット」「別冊マーガレット」が創刊60周年!

(左)「週刊マーガレット」創刊号の表紙・(右)「別冊マーガレット」創刊号の表紙

(左)「週刊マーガレット」創刊号の表紙・(右)「別冊マーガレット」創刊号の表紙

細かい心理描写が少女まんがのストロングポイント

1963年4月に集英社初の週刊少女まんが誌として「マーガレット」が、12月に季刊誌として「別冊マーガレット」が誕生し、2023年で60周年を迎えました。現在は「マーガレット」は月2回刊(毎月5日・20日発売)、「別冊マーガレット」は月刊で発行しています。いつの時代も少女たちの心情に寄り添い、魅力的なキャラクターや物語を生み出し続けてきた長い歴史は、少女まんが史そのものでもあります。

両誌に共通するまんが作品の特徴は、心理描写の巧みさです。少年まんがでは異世界で冒険を繰り広げるようなファンタジックな設定やアクションが多くみられますが、少女まんがの主なテーマは、「ひょっとしたら自分の身にもおこり得るかも」と思える“日常”を描くリアルストーリー。そのため、心の機微をとらえ、感情表現をきめ細かに丁寧に言語化することで読者のときめきを呼び起こし、共感を集めてきました。

エンタメと王道の「マーガレット」と、ハイセンスな描写で魅せる「別冊マーガレット」

レジェンド級作品が飾った、「マーガレット」の歴代表紙

レジェンド級作品が飾った、「マーガレット」の歴代表紙

「マーガレット」はエンタメ要素の強い王道作品が多く、過去には『アタックNo. 1』(浦野千賀子・著)、『ベルサイユのばら』(池田理代子・著)、『エースをねらえ!』(山本鈴美香・著)など、レジェンド級作品が数多く生まれてきました。1992年から12年もの長きにわたって連載された『花より男子』(神尾葉子・著)は、「マーガレット」を代表する人気作。貧しい家庭で育ったヒロインの牧野つくしが、お金持ちの名門高校を舞台に底辺から這い上がるという明快な設定でヒットしました。アニメ化や映画化、舞台化など、メディアミックスも積極的に行われた作品です。
週刊、そして現在では月2回刊という連載ペースならではの展開の速さやテンポのよさで、活気や勢いのある作品が生まれやすいのが『マーガレット』の特徴です。

レジェンド級作品が飾った、「マーガレット」の歴代表紙

人気作品が飾った歴代「別冊マーガレット」の表紙

一方、「別冊マーガレット」の歴代の代表作品は、『いつもポケットにショパン』(くらもちふさこ・著)、『ホットロード』(紡木たく・著)、『I LOVE HER』(いくえみ綾・著)、『イタズラなKiss』(多田かおる・著)など。1980年代から90年代は、心の内面に焦点を当てたモノローグを自然に読ませる、洗練された技法や都会的な作風を得意とする作家が台頭。“別マらしさ”が確立されていった時代でもありました。
2000年代には『ラブ★コン』(中原アヤ・著)、『高校デビュー』(河原和音・著)、『君に届け』(椎名軽穂・著)、『アオハライド』(咲坂伊緒・著)など、友人関係や進路など、恋愛だけでなく、多角的な人間関係の中で登場人物たちが成長する過程をとらえた作品が登場。映像化され、大ブームを巻き起こした作品も数多くありました。

時代に即した、生きた感情を描くことが読者の共感を呼ぶ

時代によって舞台や設定、テーマにも変遷があります。両誌とも創刊当初は外国への憧れが強く、ヨーロッパやアメリカが舞台の作品が多くありましたが、最近は“自己肯定感”や“自意識”などがキーワードになることも。自分らしさを希求する時代のニーズに沿って、多様な作品が生まれています。読者世代の恋愛に対する価値観も日々アップデートされている現代では、ベテラン作家はもちろん、新しい感性・感覚を持った若い才能にも、引き続きチャンスを広げ、様々なスタイルの作品づくりに挑戦していきたいと考えています。

半世紀以上の長い歴史の中で、時代に合わせて変化していくものがある一方、変わらずに持ち続けている信念もあります。それは、人間の感情をしっかり描くこと。フィクションの中であれば、妬みや怒りなどきれいごとではないリアルな感情をストレートに描くことができます。
読者が体験したことのある感情でなくても構いません。中学生・高校生の読者が実生活ではまだ経験していないかもしれない、人を好きになる気持ちや大切な人を失う悲しみなどを擬似体験し、他者との関わり方をシュミレーションできることも、少女まんがの魅力だと考えています。

(左)「マーガレット」創刊60周年記念号表紙・(右)「別冊マーガレット」創刊60周年記念スタート号表紙

(左)「マーガレット」創刊60周年記念号表紙・(右)「別冊マーガレット」創刊60周年記念スタート号表紙

時代のムードを取り入れながらも、少女まんがらしいリアルで緻密な心理描写を堪能できる、「マーガレット」と「別冊マーガレット」を愛読してくださっている読者の方々が「そうそう、これだよ!」と思ってもらえる作品を、これからも両誌は生み出していきます。

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