2023.03.15

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マンガを活用して魅力的な広告をプロデュース。広告部の「集英社マンガソリューションズ」

広告部のマンガ好きが集結!

集英社の強みといえば、レジェンドから最新まで多数のヒットを生んできたマンガ・コンテンツ。近年は、さまざまなタイアップも増えています。マンガを使った集英社媒体での広告のほとんどを担当するのが、広告部のマンガ好きで結成され、2021年7月に発足した部内のスペシャルチーム「集英社マンガソリューションズ」です。

マンガは集英社の大切なIP(Intellectual Property/知的財産)。著作権をはじめ、さまざまな権利が付随するうえ、ひとたびメディア化されると、著者のみならずアニメ制作会社や放送局、グッズの会社など多種多様な関係先との確認や調整が必要になります。

集英社の広告部が取り扱うのは、著者が描いたオリジナルのマンガの絵を使用する「原作版権」。かつ、その版権を利用して集英社内の媒体にてタイアップ広告を実施することが前提です。クライアントがアニメの絵を使用したいと希望する場合は「アニメ版権」となり、管轄外となるので、まずはその違いについて説明するところから始まります。

そういった複雑な過程が必要なため、問い合わせが増えてきたタイミングで、マンガ案件を専門に扱う遊軍的なチームが編成されたわけです。

クライアント向けのウェブサイト

クライアント向けのウェブサイト

原作版権を使用したタイアップ

昨年6月から実施されたジュエリーメーカーTASAKI×『チェンソーマン』(藤本タツキ・著)の大型企画は、原作版権をうまく活用した例。ジュエリーシリーズのプロモーションとして、コラボジュエリーの制作をはじめ、集英社6媒体にそれぞれオリジナルのクリエイティブを掲載。マンガのコマを使用してのプロモーションや、藤本氏描きおろしのイラストや原作絵を活用した動画等も作成しました。版権契約に基づき、イベントやパンフレット等でのビジュアルの二次使用もさまざまに実施されました。

原作版権だからこそ、著者稼働も含めて魅力的で独創に富んだプロモーションができる。クライアントと「集英社マンガソリューションズ」がタッグを組み、「こんなことができたら面白そう」と出し合ったアイデアが、クリエイティブに落とし込まれた好例でした。

「SPUR」に掲載されたタイアップページ

「SPUR」に掲載されたタイアップページ

※コラボスペシャルPVはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=XxOPsfG7-7E

マンガなら難しい内容もわかりやすく

マンガを活用した広告のメリットは、なんといってもわかりやすいこと。イラストと組み合わせることで、文章だけでは伝えきれないメッセージや思いを届けることができます。

例えば、VRヘッドセットと「少年ジャンプ+」とのコラボレーションでは、『阿波連さんははかれない』著者の水あさと氏に製品をテーマにマンガ化していただき、冊子にして量販店に配布しました。新型コロナウイルス感染症の影響により電機店などで実際に使用感を試すことができない中、文章で説明すると複雑になってしまうVR商材の特徴を、マンガならではのわかりやすさを武器に伝えることができました。

水あさと氏描き下ろしのマンガ

水あさと氏描き下ろしのマンガ

社内はもちろん関係各所との丁寧な調整も

サムスン電子から発売されたスマートフォンのタイアップ企画では、同じく「少年ジャンプ+」に連載中でアニメも大人気の『SPY× FAMILY』の原作版権を活用。「non-no」「MORE」「SPUR」「MAQUIA」の女性誌4誌で、オリジナルステッカーを特別付録に。

ここで課題となったのが、すべての媒体で違う素材を使用することでした。使える素材が限られる中、それぞれの媒体で絵柄がかぶらないように社内調整することも必要になりました。

ステッカー

左から、non-no、MORE、SPUR、MAQUIAの付録ステッカー。
それぞれの読者や雰囲気にあわせ、かつかぶらない絵柄を選定する作業は大変だった

当時はアニメの第2期がスタートする直前だったこともあり、タイアップページと共にアニメのスタートを告知する編集ページも制作。クライアント、著者、「少年ジャンプ+」と女性誌4誌の編集部、ライセンスを扱う部署など、関係各所に説明をし、丁寧に調整して作り上げることができました。関わるすべての人に喜んでもらうこと。それこそが、「集英社マンガソリューションズ」が目指しているものなのです。

世界から注目されるマンガコンテンツの未来

近年では、海外のラグジュアリーブランドから、プロモーションにマンガを活用したいというお問い合わせも増えています。マンガ・コンテンツが日本を代表する文化のひとつとして、大きな注目を集めている証拠。今後は少女・女性マンガを活用した広告にも力を入れていきたいと考えています。

さらに、マンガを愛する「集英社マンガソリューションズ」としては、編集部サイドから「企業とこんなコラボができないか?」といった相談を受けられる窓口になりたい。原作版権を活用し、マンガの魅力をより広く伝えていきたいと考えています。

「集英社マンガソリューションズ」についてくわしくはこちら
https://adnavi.shueisha.co.jp/services/manga/

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