集英社小史
関東大震災から3年経った1926年(大正15年・昭和元年)。当時としては斬新な趣味・娯楽性に重きを置く出版社として生まれた集英社。時代と共に歩んできた現在までの歴史をまとめました。
草 創
- 1925年(大正14年)
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集英社ゼロ年。集英社名での雑誌第1号「尋常小学一年女生」創刊
小学館創業者・相賀武夫、学習性の強い小学館の学年別学習雑誌に対して、娯楽雑誌の創刊を意図し、集英社の設立を準備。9月に集英社名で「尋常小学一年女生」、12月に「男子幼稚園」「女子幼稚園」「尋常小学一年男生」「尋常小学二年女生」「尋常小学二年男生」を創刊。

- 1926年(大正15年・昭和元年)
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集英社設立
この年、表神保町(現・神田神保町)の事務所正面玄関に「小学館集英社仮営業所」の看板を掲げ、集英社が設立される。8月、読物雑誌「少年団」「少公女」創刊。

- 1927年(昭和2年)
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「男子絵本」「女子絵本」創刊
6月、「男子絵本」(のちに「子供絵本」と誌名変更)「女子絵本」(のちに「幼女絵本」)創刊。

- 1928年(昭和3年)
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『現代ユウモア全集』刊行開始
6月、集英社最初の大型企画として、『現代ユウモア全集』全12巻刊行開始。新聞広告や著者を講師とした講演会「ユウモアの夕べ」を全国で開催するなど、積極的にプロモーション活動を実施。

- 1929年(昭和4年)
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「探偵綺談」創刊
6月、『現代ユウモア全集』の成功をうけ、続編12巻の刊行を開始。文部省検定済教科書として『女子新時代英習字帳』(高等女学校用)『新時代英習字帳』(旧制中学校用)各6点を発行。12月、探偵小説誌「探偵綺談」(のちに「冒険探偵綺談」「少年少女冒険探偵綺談」と誌名変更)創刊。

- 1930年(昭和5年)
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『現代ユウモア全集』全24巻で完結
『現代ユウモア全集』全24巻で完結。2月、「子供絵本」「幼女絵本」が、新考案の組み立て立体式絵本「動く絵本・コドモヱホン」「切り抜き絵本・コドモブック」に誌名変更。
- 1933年(昭和8年)
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一ツ橋に新社屋が完成
2月、前年に取得した一ツ橋の東京商科大学(現・一橋大学)旧校舎を改修し、小学館(集英社)の新社屋が完成。

- 1940年(昭和15年)
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戦時統制で2誌休刊に
10月、戦時統制により、集英社名で刊行を続けていた2誌「男子幼稚園」「女子幼稚園」が休刊し、小学館の「幼稚園」に統合される。以後、集英社の出版活動は戦後までほぼ途絶える。
- 1941年(昭和16年)~1946年(昭和21年)
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太平洋戦争のため社業中断
胎 動
- 1947年(昭和22年)
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合資会社集英社として再スタート。『少年王者』大ヒット
8月、合資会社として集英社が登記され、出版活動を再開。小学館社長・相賀徹夫が代表取締役に就任。12月、紙芝居で大人気だった山川惣治『少年王者』を『おもしろブック』シリーズ第1弾の単行本として出版、大ヒットとなる。

- 1948年(昭和23年)
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『おもしろブック』シリーズ、絶好調
『少年王者』の続編をはじめ、小松崎茂『火星王国』など、『おもしろブック』シリーズ12点を発刊、好評を博す。
- 1949年(昭和24年)
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株式会社集英社に改組。雑誌「おもしろブック」創刊
7月、株式会社集英社に改組。8月、“明るく楽しい少年少女雑誌” をキャッチフレーズに、改組後最初の雑誌「おもしろブック」創刊。

- 1950年(昭和25年)
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「よいこのとも」創刊
3月、児童雑誌「よいこのとも」創刊。12月、「よいこのとも」が「よいこ一年生」「よいこ二年生」「よいこ三年生」に分離して、誌名を変更。

- 1951年(昭和26年)
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「少女ブック」創刊
8月、少女雑誌「少女ブック」創刊。当時、多くの少女雑誌の判型がA5判であるなか、あえてB5判で刊行。

- 1952年(昭和27年)
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「明星」創刊。独立した社屋に移転
3月、小学館の社屋を出て、独立した木造3階建ての社屋に移転。3月、「おもしろブック」4月号が31万8000部を発行し、少年雑誌のトップに立つ。8月、“夢と希望の娯楽雑誌”「明星」創刊。

- 1953年(昭和28年)
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「おもしろ漫画文庫」シリーズ発刊
6月、名作漫画シリーズ「おもしろ漫画文庫」発刊。8月、「よいこ一年生」が「よいこ幼稚園」に、「よいこ二年生」「よいこ三年生」が統合して「幼年ブック」に誌名変更して新創刊。

- 1954年(昭和29年)
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「少女ブック」少女雑誌ナンバー1に
9月、ラジオドラマ『花嫁はどこにいる』の映画化に際し、「明星」誌上で主演の佐田啓二の相手役を “明星ミス花嫁” として募集。雑誌とラジオのタイアップ企画として注目される。12月、「少女ブック」1955年1月号が65万部を発行、少女雑誌ナンバー1に。

成 長
- 1955年(昭和30年)
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「りぼん」創刊
8月、「少女ブック」の妹雑誌として幼女向け総合誌「りぼん」創刊。「集英社の漫画ブック」シリーズ発刊。宇野哲人編集の『新修辞典』を刊行。

- 1956年(昭和31年)
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『明星アワー』放送開始
6月に「別冊おもしろブック」、10月に「別冊明星」を創刊。11月、ラジオ番組『明星アワー』が始まり、「明星」でおなじみの人気歌手・スターが出演。
- 1957年(昭和32年)
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「ミス・ミスター明星」コンテスト開催。「えほん」創刊
7月、「明星」と松竹が共催で「ミス・ミスター明星」コンテスト開催。応募者総数は2万1000名。「おもしろブック」連載の沢田賢二・高垣葵『高丸菊丸』がラジオドラマとして放送。同作は1959年松竹で実写映画化された。12月、「えほん」創刊。

- 1958年(昭和33年)
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「週刊明星」創刊。皇太子妃を巡るスクープ報道が社会的反響を呼ぶ
7月、「週刊明星」創刊。同11月23日号でスクープ記事 “内定した!? 皇太子妃 その人正田美智子さんの素顔” を掲載し、新聞社の報道協定に挑戦、社会的反響を呼ぶ。

- 1959年(昭和34年)
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文芸書出版に進出。「少年ブック」創刊
3月、「週刊明星」連載の柴田錬三郎『遊太郎巷談 修羅の巻』を刊行。集英社の文芸書出版第1号となる。12月、「おもしろブック」を誌名変更して「少年ブック」創刊。

- 1960年(昭和35年)
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『明星スター劇場』全国ネットで放映開始
9月、人気歌手・映画スターが毎週出演する芸能テレビ番組『明星スター劇場』が放映開始。12月、「別冊週刊明星」創刊。

- 1961年(昭和36年)
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神保町ビルが完成
集英社創業35周年記念企画として、6月に『少年少女日本歴史全集』全12巻、9月に『ひろすけ幼年童話文学全集』全12巻をそれぞれ刊行。11月、神保町に新社屋竣工。鉄骨鉄筋地下1階、地上8階。1090坪。

- 1962年(昭和37年)
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『愛と死のかたみ』がベストセラーに。「女性明星」創刊
2月、戦後作家55人を網羅した画期的文学全集『新日本文学全集』全38巻刊行開始。11月、18歳~22歳の女性を読者対象にワイド版の新感覚女性誌「女性明星」創刊。2月に刊行された死刑囚と女性の往復書簡『愛と死のかたみ』が年間ベストセラー第3位に。

- 1963年(昭和38年)
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「週刊マーガレット」「別冊マーガレット」創刊
3月、三島由紀夫が被写体の写真集『薔薇刑』が話題に。同作品は日本写真批評家協会・作家賞を受賞。4月、「少女ブック」を継承・発展させた「週刊マーガレット」創刊。創刊PR誌として65万部を作成し、無料配布する。12月、「別冊マーガレット」創刊。

- 1964年(昭和39年)
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手塚治虫『ビッグX』テレビアニメ化。「コンパクト・ブックス」発刊
6月、『漢詩大系』全24巻発刊。8月、「少年ブック」連載の手塚治虫『ビッグX』が、集英社作品として初のテレビアニメ化。9月、梶山季之『赤いダイヤ』などを第1弾として、「コンパクト・ブックス」シリーズ刊行開始。

- 1965年(昭和40年)
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『世界文学全集』発刊。「コバルト・ブックス」発刊。「別冊少年ブック」創刊
2月、創業40周年記念出版として、本邦初訳の作品を多数取り上げた『世界文学全集』全38巻発刊。5月、シリーズ「コバルト・ブックス」発刊。12月、「別冊少年ブック」創刊。

発 展
- 1966年(昭和41年)
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「週刊プレイボーイ」「青春と読書」創刊
3月、ジュニア向け小説雑誌「小説ジュニア」創刊。6月、創業40周年記念企画『日本文学全集』全88巻発刊。8月、書籍PR誌「青春と読書」を創刊。10月、エンターテインメントのエッセンスを盛った男性週刊誌「週刊プレイボーイ」創刊。

- 1967年(昭和42年)
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雑誌の年間総発行部数、初の1億部突破。「デラックス マーガレット」創刊
4月「プレイボーイCUSTOM」、7月「デラックス マーガレット」、12月「りぼんコミックス」と創刊誌が相次ぎ、集英社の年間雑誌総発行部数が1億3030万部に。10月、『学習漫画 日本の歴史』全18巻発刊。学習漫画ジャンルのパイオニアとしてロングセラーとなる。

- 1968年(昭和43年)
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「週刊セブンティーン」「少年ジャンプ」創刊。
1月、「マーガレットコミックス」発刊。本格的コミック単行本の先鞭をつける。5月、「週刊マーガレット」のお姉さん雑誌として、ティーンのための週刊誌「週刊セブンティーン」創刊。新漫画誌「少年ジャンプ」(月2回刊)創刊。

- 1969年(昭和44年)
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「少年ジャンプ」が週刊化。「週刊少年ジャンプ」に
9月、『現代世界美術全集』全25巻発刊。10月「別冊セブンティーン」(のちに「月刊セブンティーン」と誌名変更)創刊。同月、「少年ジャンプ」が週刊化し「週刊少年ジャンプ」に誌名変更。11月、ジャンプの人気連載、本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』、永井豪『ハレンチ学園』などを単行本化した「ジャンプコミックス」発刊。

- 1970年(昭和45年)
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「すばる」創刊
5月、日本の伝統を縦軸に、世界の文学動向を横軸として捉えた本格的文芸誌「すばる」創刊。6月、『漱石文学全集』全10巻・別巻1発刊。原稿・初出・初版を校合し、定本作りの過程を明示した夏目漱石全集の決定版として高い評価を得る。

- 1971年(昭和46年)
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「non-no」創刊
1月、ストーリー漫画の新人発掘を目的に「週刊少年ジャンプ」が「手塚賞」を創設。5月、“愛のあるファッショナブル・マガジン” を標榜して「non-no」創刊。6月、超ワイド版『現代日本美術全集』全18巻発刊。美術出版における地位を確立する。

- 1972年(昭和47年)
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「ロードショー」創刊
3月、若い映画ファンを対象に “感じる洋画雑誌”「ロードショー」創刊。9月、ギリシャ・ローマの古典から現代文学まで名作を選りすぐった『愛蔵版 世界文学全集』全45巻発刊。10月、「マーガレットコミックス」より池田理代子『ベルサイユのばら』刊行開始。

躍 動
- 1975年(昭和50年)
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「PLAYBOY 日本版」創刊。
1月、「週刊少年ジャンプ」で池沢さとし『サーキットの狼』が連載開始。70年代後半のスーパーカーブームを牽引する。3月、『新修 広辞典 第3版』刊行。120万部を超える大ヒット辞典に。5月、「PLAYBOY 日本版」創刊、創刊号は即日完売となる。人気テレビ・ラジオ番組の書籍化『欽ドン いってみようやってみよう』が、年間ベストセラーの3位に。

- 1976年(昭和51年)
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「集英社文庫コバルトシリーズ」発刊
5月、「コバルト・ブックス」を発展させ「集英社文庫コバルトシリーズ」(のちの「コバルト文庫」)を発刊。6月、秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が「週刊少年ジャンプ」で連載開始。8月、創業50周年記念企画として “1000万円懸賞小説” を募集。水野泰治『殺意』が入選。11月、「すばる文学賞」を創設し、募集を開始。

- 1977年(昭和52年)
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「集英社文庫」発刊。「MORE」創刊
5月、「集英社文庫」(文芸シリーズ)発刊。第1回配本は川端康成『伊豆の踊子』など31点。第3次文庫ブームの先駆けとなる。同月、大型クオリティ・ライフ・マガジン「MORE」創刊。

- 1978年(昭和53年)
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『オーパ!』刊行。「ぶ~け」創刊
6月、千代田区富士見町に九段ビル完成。7月、初めてのA5判少女コミック月刊誌「ぶ~け」、ムック形式の男性誌「DELUXEプレイボーイ」創刊。10月、紀行ノンフィクションの金字塔・開高健『オーパ!』(写真:高橋曻)刊行。

- 1979年(昭和54年)
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「ヤングジャンプ」創刊。『四季・奈津子』大ヒット
5月、青年漫画誌「ヤングジャンプ」創刊。7月、「MORE」の人気連載小説・五木寛之『四季・奈津子』刊行。映画化・テレビドラマ化の効果もあり、上下巻で累計160万部超えの大ヒット作品となる。

- 1980年(昭和55年)
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『蒼い時』が累計198万部の大ベストセラーに
5月、アメリカのザ・ハースト社と提携し、「COSMOPOLITAN 日本版」創刊。9月、引退直前の山口百恵の書き下ろし自叙伝『蒼い時』刊行。累計198万部のベストセラーに。12月、「ヤングジャンプ」が週刊化し、「週刊ヤングジャンプ」に誌名変更。

- 1981年(昭和56年)
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『Dr.スランプ』一大ブームに
4月、鳥山明『Dr.スランプ』がアニメ化され大ヒット。主人公・アラレちゃんのキャラクター商品は数百種類に及び一大ブームに。創業55周年記念出版として『日本の街道』全8巻、『人物 中国の歴史』全10巻・別巻1、『篠山紀信シルクロード』全8巻、『伊藤深水全集』全6巻、『梅原猛著作集』全20巻、『肉筆浮世絵』全10巻など続々刊行。

- 1982年(昭和57年)
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「Lady’s Comic YOU」創刊。「ノンノ・モア・ブックス」刊行開始
6月「明星ヘアカタログ」「フレッシュジャンプ」、7月「Lady’s Comic YOU」「Cobalt」(「小説ジュニア」を誌名変更)、9月「プレイボーイeyes」をそれぞれ創刊。10月より実用ムックのシリーズとして、「ノンノ・モア・ブックス」刊行開始。第1弾は『non-noクッキング・ブック』。

- 1983年(昭和58年)
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『モア・リポート』刊行。「LEE」創刊
1月、「MORE」読者への “性についてのアンケート” をまとめた『モア・リポート』発刊。女性たちが自らの性を告白し反響を呼ぶ。5月、30代女性を対象読者に「LEE」創刊。6月、ラテンアメリカの文学作品を初めて体系化した『ラテンアメリカの文学』全18巻刊行開始。

- 1984年(昭和59年)
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「サムアップ」「DUNK」創刊
3月に “やる気生活HOW TO誌”「サムアップ」、5月に “ボーイズの情報大図鑑” 「DUNK」と、男性読者に向けた2誌が創刊。

- 1985年(昭和60年)
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「つくば万博」に出展
3月、「科学万博つくば’85」に出展。イースター島のモアイ像、ガンダーラの仏像など9つの遺跡を合成した高さ26メートルのパビリオンが異彩を放った。集英社館の来場者数は539万人超に。3月、オフィスレディ向けコミック誌「OFFICE YOU」、5月、ヤングビジネスマン向けコミック誌「ビジネスジャンプ」創刊。雑誌の総発行部数が5億を突破。

- 1986年(昭和61年)
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「MEN‘S NON-NO」創刊。『imidas』刊行開始
3月「明星ヘアカタログMEN’S」、5月「MEN’S NON-NO」、11月「Duet」「YOUNG YOU」と各ジャンルで雑誌創刊が相次ぐ。11月、“情報社会人必携の一冊” をキャッチフレーズに年度版事典『情報・知識 imidas 1987』発刊。113万8000部を発行。

展 開
- 1988年(昭和63年)
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「BEARS CLUB」「スーパージャンプ」など漫画誌創刊相次ぐ
4月、「週刊マーガレット」が月2回刊となり、「マーガレット」に誌名変更。月刊漫画誌「BEARS CLUB」創刊。5月、少女コミック誌「ティアラ」創刊。10月、青年コミック誌「スーパージャンプ」創刊。

- 1989年(昭和64年・平成元年)
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「SPUR」創刊
2月、「ザ マーガレット」創刊。9月、オシャレ心と知的好奇心を満たす新女性誌「SPUR」創刊。創業65周年記念企画として5月に『集英社版 大歳時記』全4巻、7月に小林古徑『竹取物語』、10月に『集英社ギャラリー 世界の文学』全20巻をそれぞれ刊行。

- 1990年(平成2年)
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新・神保町ビル完成。『ちびまる子ちゃん』社会現象に
1月、地下3階地上10階の新・神保町ビル完成。同月、「週刊少年ジャンプ」がF1ホンダ マルボロ・マクラーレンチームとスポンサー契約を締結。F1の車体にジャンプのロゴが。さくらももこ『ちびまる子ちゃん』がTVアニメ化の効果もあり大ヒット、社会現象に。

- 1991年(平成3年)
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「Bart」創刊。雑誌年間総発行部数6億4347万部を記録
3月、さくらももこ『もものかんづめ』刊行。累計209万部の大ベストセラーに。5月、ジャーナル&エンターテインメント誌「Bart」創刊。集英社文庫のキャンペーン「夏の一冊」をこの年より開始。創業65周年記念出版として3月『ファーブル昆虫記(ジュニア版)』全8巻、5月『集英社版 日本の歴史』全21巻・別巻1発刊。12月、「週刊明星」が33年の歴史に幕を閉じ休刊する一方、この年の集英社の雑誌総発行部数が6億4347万部と史上最高を記録。

- 1992年(平成4年)
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『花より男子』連載スタート。『non-noお料理基本大百科』刊行
「マーガレット」8号から神尾葉子『花より男子』連載開始。8月、「明星」がロゴを「Myojo」と変更し、判型もA4判変型のワイド判にイメージ一新。10月、料理の基礎・基本のノウハウを網羅した『non-noお料理基本大百科』を刊行、ベストセラーに。

- 1993年(平成5年)
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『集英社国語辞典』発刊。「Vジャンプ」創刊
1月「りぼんオリジナル」、5月「TANTO」「Vジャンプ」が創刊。2月、集英社初の総合国語辞典『集英社国語辞典』発刊。横組版の刊行は国語辞典史上初の試みとして話題に。7月、「週刊少年ジャンプ」創刊25周年を記念して「ジャンプ・マルチワールド」を開催。

- 1994年(平成6年)
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『DRAGON BALL』が1億部を突破。「週刊少年ジャンプ」が653万部発行
5月「コーラス」、12月「More Natural」創刊。8月、鳥山明『DRAGON BALL』のコミックス累計発行部数が1億部を突破。12月発売の「週刊少年ジャンプ」1995年3・4合併号は653万部を発行し、歴代最高記録を更新。

- 1995年(平成7年)
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『訳注 日本史料』『中上健次全集』『萬葉集釋注』刊行開始
1月、『訳注 日本史料』第1回配本開始。創業70周年記念企画として、5月に『中上健次全集』全15巻、11月に伊藤博『萬葉集釋注』全11巻を刊行開始。4月にアウトドア生活情報マガジン「Tepee」、9月に青年漫画誌「MANGA オールマン」を創刊。

- 1996年(平成8年)
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『集英社 世界文学大辞典』など4つの創業70周年記念企画を刊行
創業70周年記念企画として6月に『ユリシーズ』全3巻、9月にマルセル・プルースト『失われた時を求めて』全13巻、10月に『集英社 世界文学大事典』、11月に『20世紀 写真で見る世界の100年、日本の100年!』を刊行。9月、テレビ情報誌「テレキッズ関東版・関西版」創刊。

再 編
- 1997年(平成9年)
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『鉄道員-ぽっぽや-』『女たちのジハード』直木賞を同時受賞
4月、秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が累計発行部数1億部を突破。7月、浅田次郎『鉄道員-ぽっぽや-』篠田節子『女たちのジハード』が直木賞を同時受賞。集英社初の同賞受賞となる。同月、尾田栄一郎『ONE PIECE』が「週刊少年ジャンプ」で連載開始。

- 1998年(平成10年)
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「non-no」が153万部発行。「メイプル」創刊
1月、「non-no」2・3合併号が153万部を発行し、最高部数を記録。4月、40代女性をターゲットとして「メイプル」創刊。7月、「Bart」が月刊となり、誌名も「BART3230」に変更。「週刊少年ジャンプ」創刊30周年記念イベント「ジャンプ・スーパー・アニメツアー'98」を全国25か所で開催。10月、『鉄道員-ぽっぽや-』が累計100万部突破。

- 1999年(平成11年)
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「集英社新書」発刊。「ウルトラジャンプ」創刊
6月、学習図書「満点ゲットシリーズ」発刊。7月、佐藤賢一『王妃の離婚』が直木賞を受賞。10月、コアな漫画ファン向け雑誌「ウルトラジャンプ」創刊。12月、“知の水先案内人” をキャッチフレーズに「集英社新書」発刊。同月、ジャンプ3誌合同エンターテインメントイベント「ジャンプフェスタ2000」を開催。以降、毎年末恒例の大イベントとなる。

- 2000年(平成12年)
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「クッキー」創刊。『水滸伝』刊行開始
5月、「クッキー」創刊。連載漫画の矢沢あい『NANA』が大人気に。7月、ライトノベルレーベル「スーパーダッシュ文庫」発刊。同月、船戸与一『虹の谷の五月』が直木賞を受賞。10月、北方謙三『水滸伝』刊行開始。『楊令伝』『岳飛伝』と続く “大水滸伝シリーズ” がスタート。

- 2001年(平成13年)
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「BAILA」創刊
3月、コンビニ向けコミックス「集英社リミックス」発刊。5月、25歳からの高感度ファッション誌「BAILA」創刊。6月、集英社女性誌8誌の総合Webサイト「s-woman.net」を開設。8月、宮部みゆき初の「集英社文庫」書き下ろし『R.P.G.』刊行。ミリオンセラーに。

- 2002年(平成14年)
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北米版「SHONEN JUMP」創刊。「Sportiva」創刊
1月、新たなノンフィクション作家発掘のため「開高健ノンフィクション賞」を創設。3月、スポーツ観戦力強化マガジン「Sportiva」創刊。5月、「集英社be文庫」発刊。11月、「週刊少年ジャンプ」の北米版「SHONEN JUMP」が創刊。

- 2003年(平成15年)
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「ジャンプショップ」開店
3月、雅姫『私の好きな「暮らし」のかたち』刊行。雅姫ブーム到来。同月、原宿で「NANAの世界展」を開催。4月、木村拓哉のフォトエッセイ『開放区』刊行。50万部超えの大ヒット。7月、期間限定でお台場に「ジャンプショップ」を開店。翌年には東京ドームシティに常設1号店も開店。

- 2004年(平成16年)
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『蛇にピアス』芥川賞受賞。「PINKY」「MAQUIA」創刊
1月、金原ひとみ『蛇にピアス』が芥川賞受賞。集英社作品として31年ぶり。5月、創業80周年記念企画『田辺聖子全集』全24巻・別巻1刊行開始。8月に「PINKY」、9月に「MAQUIA」を創刊。7月、井上雅彦『SLAM DUNK』、11月、尾田栄一郎『ONE PIECE』の累計発行部数がそれぞれ1億部を突破。

- 2005年(平成17年)
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「UOMO」創刊。「集英社神保町3丁目ビル」完成
2月、大人の男性向け総合ファッション誌「UOMO」創刊。3月、新社屋「神保町3丁目ビル」が完成。10月、神尾葉子『花より男子』原作のテレビドラマが放映開始し大ヒット。11月、創業80周年記念企画『完訳 ファーブル昆虫記』全10巻(20冊)刊行開始。

変 革
- 2006年(平成18年)
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「集英社マンガカプセル」配信開始。「SPURLUXE」創刊
9月、「SPURLUXE」を創刊。5月、携帯電話向けコンテンツ配信サイト「集英社マンガカプセル」、10月、「集英社ノンフィクションhippopo」がスタート。同月、村山由佳『天使の卵ーエンジェルス・エッグ』原作の実写映画が公開。そのヒットもあり、ミリオンセラーに。

- 2007年(平成19年)
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『鈍感力』100万部突破。「marisol」「éclat」「ジャンプSQ.」創刊
2月に刊行された渡辺淳一『鈍感力』が100万部突破。同月、女性誌グループの直営通販サイト「s-woman.net FLAG SHOP」を開設(2008年に「集英社 FLAG SHOP」に改称)。3月に「marisol」、9月に「éclat」の女性誌2誌を創刊。11月、新漫画誌「ジャンプSQ.」を創刊。

- 2008年(平成20年)
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『悩む力』刊行。「集英社アネックスビル」完成
1月、「集英社アネックスビル」完成。5月、姜尚中『悩む力』(集英社新書)が刊行。ミリオンセラーに。9月、「SEVENTEEN」10月号より月刊化し、ロゴを「Seventeen」と変更する。10月、「週刊少年ジャンプ」創刊40周年記念サイト「JUMPLAND」を日英仏独の4か国語版でオープン。

- 2009年(平成21年)
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週刊分冊百科市場に参入。『遊☆戯☆王』カード、ギネスに認定
1月、Webマガジン「WPB-net」が「週プレnet」に名称変更。4月に「週刊 古社名刹―巡拝の旅」、5月に「週刊 鉄道 絶景の旅」を創刊し、週刊分冊百科市場に参入。7月、『遊☆戯☆王OCGデュエルモンスターズ』カードの販売枚数が226億枚を超え、<世界で最も売れたトレーディング・カードゲーム>としてギネスブックに認定。

- 2010年(平成22年)
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『ONE PIECE』初版部数が日本出版史上最高を記録。「kotoba」創刊
3月、『ONE PIECE』57巻の初版発行部数が300万部で、日本出版史上最高部数を記録。同月、シリーズ『学習漫画 世界の伝記NEXT』を発刊。4月、岸本斉史『NARUTOーナルトー』が累計発行部数1億部突破。9月、季刊言論誌「kotoba」創刊。同月、「non-no」が月刊に発行形態を変更。10月、「週刊プレイボーイ」のニュースサイト「週プレNEWS」開設。

- 2011年(平成23年)
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2つの文庫シリーズ発刊。新漫画誌4誌創刊
1月、木内昇『漂砂のうたう』が直木賞受賞。3月に児童向け「集英社みらい文庫」、4月にティーン向け「ピンキー文庫」と、2つの文庫シリーズ発刊。6月、創業85周年企画『コレクション 戦争と文学』全20巻・別巻1刊行開始。10月に「スーパーダッシュ&GO!」、11月に「グランドジャンプ」「ココハナ」、12月に「最強ジャンプ」と新漫画雑誌を4誌創刊。

- 2012年(平成24年)
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『ONE PIECE』日本出版史上最高部数記録を更新
1月、田中慎弥『共喰い』が芥川賞を受賞。4月、「ジャンプ改」創刊。「ONE PIECE展」「荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展」を全国各地で開催、大盛況。5月「シフォン文庫」刊行開始。8月、『ONE PIECE』67巻が初版405万部発行。日本出版史上最高部数記録を更新。11月、「s-woman.net」が「HAPPY PLUS」としてリニューアルオープン。

- 2013年(平成25年)
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『ベルサイユのばら』40年ぶりの新作発表
電子書店アプリとして、1月に「ジャンプBOOKストア!」、6月に「マーガレットBOOKストア!」が配信開始。4月、「マーガレット」10号別冊付録に池田理代子『ベルサイユのばら』の40年ぶりの新作<エピソード>を掲載。5月、ファッション全11誌のデジタル配信スタート。7月、桜木紫乃『ホテルローヤル』が直木賞受賞。50万部超のベストセラーに。

- 2014年(平成26年)
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「少年ジャンプ+」配信開始
3月、ムック「MyAge」刊行。公式サイト「OurAge」と連動、異なるメディアを統一テーマの下で連携させる初の試み。4月、逢坂剛『百舌の叫ぶ夜』『幻の翼』原作のドラマシリーズ『MOZU』がテレビ放映され大好評。7月、桜坂洋『All You Need Is Kill』がトム・クルーズ主演でハリウッド映画化。8月、「週プレ グラジャパ!」開設。9月、スマホアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」配信開始。11月、ライトノベルの新レーベル「ダッシュエックス文庫」発刊。

転 換
- 2016年(平成28年)
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『こち亀』40年の連載に幕。『学習まんが 日本の歴史』全面改訂
7月、荻原浩『海の見える理髪店』が直木賞受賞。9月、秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が連載40周年およびコミックス200巻刊行の偉業を達成して、連載終了。10月、創業90周年企画で『学習まんが 日本の歴史』全面改訂で刊行。12月、荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』の累計発行部数が1億部を突破。

- 2017年(平成29年)
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集英社文庫「よまにゃ」誕生
5月、創刊40周年を迎えた「集英社文庫」の新しいキャラクターとして本好きのネコ「よまにゃ」が誕生。6月、創刊50周年を迎えた「週刊プレイボーイ」が期間限定で新宿・歌舞伎町に「週プレ酒場」をオープン。7月、「週刊少年ジャンプ展」Vol.1開催。9月、創業90周年記念企画『ART GALLERY』全10巻刊行開始。

- 2018年(平成30年)
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「週刊少年ジャンプ」創刊50周年
「週刊少年ジャンプ」創刊50周年。3月にVol.2、7月にVol.3と「週刊少年ジャンプ展」を連続開催。「少年ジャンプ+」1000万DL突破、「マンガMee」「ヤンジャン!」が配信開始されるなど、漫画をアプリで読む時代に。集英社他全31社の協力で「STOP!海賊版」キャンペーン展開。

- 2019年(平成31年・令和元年)
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『鬼滅の刃』大ブレイク。「MANGA Plus by SHUEISHA」配信開始
1月、全世界を対象とした漫画配信アプリ「MANGA Plus by SHUEISHA」配信開始。吾峠呼世晴『鬼滅の刃』がアニメ化をきっかけに大ブレイク。3月、篠原健太『彼方のアストラ』がマンガ大賞受賞。Web発の作品の受賞は初めて。

- 2020年(令和2年)
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コロナ禍でも『鬼滅』ブームは続く
1月、古川真人『背高泡立草』が芥川賞を受賞。2月、「集英社 FLAG SHOP」が「HAPPY PLUS STORE」としてリニューアルオープン。『鬼滅の刃』は、5月の連載終了後も勢いは衰えず、10月にコミックス累計発行部数1億部を突破、コミックス18巻とjBOOKS『鬼滅の刃 しあわせの花』がコミックスと書籍の年間ベストセラー1位、劇場版映画『鬼滅の刃 無限列車編』は国内404億円・世界総興行収入517億円・全世界観客動員数4135万人を記録するなど、さまざまな社会現象を巻き起こす。

- 2021年(令和3年)
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『人新世の「資本論」』新書大賞受賞
1月、西條奈加『心淋し川』が直木賞を受賞、2月、斎藤幸平『人新世の「資本論」』が新書大賞2021を受賞。『ONE PIECE』が1月に連載1000話、10月にコミックス100巻突破。「るろうに剣心展」「僕のヒーローアカデミア展」「キングダム展」など全国で万全のコロナ対策のもと開催し大盛況。

- 2022年(令和4年)
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『ONE PIECE』全世界累計発行部数5億部突破。『アジア人物史』刊行開始
3月、Webニュースメディア「集英社オンライン」配信開始。8月、『ONE PIECE』全世界累計発行部数5億1000万部突破。12月、創業95周年記念企画『アジア人物史』全12巻・索引巻1刊行開始。遠藤達哉『SPY×FAMILY』、松本直也『怪獣8号』など「少年ジャンプ+」からヒット作が続々誕生。

- 2023年(令和5年)
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『キングダム』1億部突破
8月、『ONE PIECE』がNetflixで実写ドラマ化、世界へ発進。11月、原泰久『キングダム』が累計発行部数1億部突破。映画『THE FIRST SLAM DUNK』の大ヒットで再編版コミックスが全20巻1000万部突破。

- 2024年(令和6年)
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『地面師たち』大ヒット、社会現象に
4月、堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』が累計発行部数1億部突破。5月、タテ読みマンガアプリ「ジャンプTOON」配信開始。8月、新庄耕『地面師たち』がNetflixで実写ドラマ化され、社会現象に。9月、芥見下々『呪術廻戦』が累計発行部数1億部突破。同月、「少年ジャンプ+」が創刊10周年。月間ユーザー数は1200万人以上に。11月、創業100周年企画『学習まんが 世界の歴史』全18巻刊行。『ハイキュー!!』『ルックバック』『キングダム』『僕のヒーローアカデミア』など集英社作品の映画化、大ヒット。




