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集英社新書
マラッカ海峡物語 ペナン島に見る多民族共生の歴史
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あらすじ・概要
ベンガル湾を内海のように抱えるインドと東南アジアには、どのような文明が形成されてきたのか――。本書が注目するのは、マラッカ海域北端に浮かぶペナン島。淡路島の半分ほどの面積しかないこの小島に、これまで、実に30以上の民族集団が、絶妙なバランスで群居し続けてきた。マレー人、インドネシアの海民アチェやブギス、インドのチェッティ商人、ムスリム海商チュリア、クリン、アラブの海商ハドラミー、ポルトガル人、イギリス人、フランス人、アルメニア人、華僑、日本人、等々――。各地で、ナショナリズムや排外主義的な価値観が増大する中、本書が提示する世界像は、多民族共存の展望と希望を与えてくれるだろう。人間は、共存可能だ――と。ベンガル湾からマラッカ海峡にかけての地域研究の第一人者による、初の本格的な「マラッカ海峡」史。
はじめに/第1部 海峡の植民地ペナン(序章 海峡を掘り起こす/第1章 租界・居留地・ジョージタウン/第2章 海峡とモンスーン/第3章 海民と開拓者/第4章 居留地ジョージタウン誕生/第5章 居留地ペナンの誕生)/第2部 海峡を渡ってきた人々(第6章 変貌するペナン/第7章 シントラ、ポルトガル人街から日本人街へ/第8章 マラッカ海峡のアルメニア社会/第9章 華人街の頭目/第10章 ベンガル湾を渡ったインド人)/おわりに/文献リスト/マラッカ海峡・ペナン島・ベンガル湾略史(1750~1910)