書誌情報
インターナショナル新書
生命科学の静かなる革命
ご購入
著者
あらすじ・概要
これまでに25人のノーベル賞受賞者を輩出してきたロックフェラー大学。かつて同校で研鑽を積んだ著者が、その歴史と偉大な先人たちの業績をたどりながら生命科学の道のりを今一度振り返り、「社会利益を実現し得る学問」ばかりに偏重する現代の科学研究に警鐘を鳴らす。
さらに、ノーベル賞受賞者3人を含む、研究者5人との対談も収録。ベストセラー『生物と無生物のあいだ』の執筆後に判明し、科学誌『ネイチャー』に取り上げられた新発見についても綴る。
(目次より)
〈序章〉
●失われた矜持を取り戻すために
●大切なものはすべて対になっている
●ロックフェラー大学の伝統芸
●HWの物語
●二五人のノーベル賞受賞者
〈第一章 生命科学は何を解明してきたのか?〉
●ヒューベルとウィーゼルの出会い
●幸運な冒険者
●コード化された情報
●黄金の日々
●縁の下の力持ち、エイブリー
●控えめな推論
●批判者の攻撃
●パラーディの武器
●HOWを追い求めて
〈第二章 ロックフェラー大学の科学者に訊く〉
●「山脈のピーク」を形成する研究者たち
●ロックフェラー大学という「科学村」の強み トーステン・ウィーゼル(神経生物学者)
●誰もが公正に扱われるチームづくり ポール・グリーンガード(神経生理学者)
●将来のリーダーを見つけ出す嗅覚 ポール・ナース(分子生物学者)
●科学における最大の障害は無知ではなく、知識による錯覚 ブルース・マキューアン(神経生物学者)
●どれだけ目立って、インパクトを与えられるか 船引宏則(染色体・細胞生物学者)
●対談を終えて
〈第三章 ささやかな継承者として〉
●解明すべき課題
●ヒト・ゲノム計画前夜の虫捕り少年
●GP2の居所
●消化管は生命の最前線
●GP2を「抽出」する方法
●世界地図の「空白」を埋める旅
●新たなアプローチ
●学説のプライオリティは誰の手に?
●『生物と無生物のあいだ』執筆後の大発見
●この発見は何に役立つのか―経口ワクチンの可能性―
●残された謎
〈あとがき〉
著者略歴
福岡伸一(ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年、東京都生まれ。京都大学卒業。ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授、ロックフェラー大学客員教授。『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)など、生命の本質に迫る著書多数。他に『できそこないの男たち』(光文社新書)、『ルリボシカミキリの青』(文春文庫)など。