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著者

著者:松家 仁之

あらすじ・概要

自分の居場所はどこにもない。
でもひとりでは生きていけない。

男子高の二年に上がってまもなく学校に行けなくなった薫は、夏のあいだ、大叔父・兼定のもとで過ごすことに。
兼定は復員後、知り合いもいない土地にひとり移り住み、岡田という青年を雇いつつジャズ喫茶を経営していた。
薫は店を手伝い、言い知れない「過去」を感じさせる大人たちとともに過ごすうち、一日一日を生きていくための何かを掴みはじめる――。
昭和を舞台に描かれる、二度と来ない夏の日々。
思春期のままならない身体と心を鮮やかに描きだす、「最初で最後」の青春小説。

【著者略歴】
松家仁之(まついえ・まさし)
1958年、東京生まれ。編集者を経て、2012年に発表した長編小説『火山のふもとで』で第64回読売文学賞を受賞。2018年『光の犬』で第68回芸術選奨文部科学大臣賞、第6回河合隼雄物語賞を受賞。その他の小説作品に『沈むフランシス』『優雅なのかどうか、わからない』『天使も踏むを畏れるところ』。共著に『新しい須賀敦子』。