あらすじ・概要

鎌倉中期、執権・北条時頼が権力を振るう頃。仲間たちと唄や踊りの芸を売って自由に生きる傀儡女・叉香は、復讐のために鎌倉を目指す武士や、武士に家族を殺された瀕死の女、信仰の本質を追い求める西域から来た僧らと出会う。全く異なる境遇で生きる四人の男女の運命が、鎌倉で交錯する。仏教と武士道が権力と結びつき、大きな流れを形成していった歴史の分岐点を舞台に描かれる渾身の歴史長篇。

第一部（序章
第一章　甲斐の客人
第二章　闇の声
第三章　黒蝶
第四章　念仏衆
第五章　山賊の棲処
第六章　蜃気楼
第七章　嵐の到来
第八章　風祭郷
第九章　祭りの調べ
第十章　心経沙弥
第十一章　三途の河辺
第十二章　鬼の貌
第十三章　荒波の果て)
第二部（第一章　鎌倉侍所
第二章　傀儡の舞い
第三章　極楽浄土
第四章　地獄谷
第五章　躍念仏
第六章　獄門
第七章　地獄の手前
第八章　小法師
第九章　不思議な国
第十章　断罪の日
第十一章　紅楼の糸
第十二章　女人暮色
第十三章　葬列
第十四章　最明寺
第十五章　闇き道
第十六章　業火
終章）