書誌情報
集英社文庫
本を読んだら散歩に行こう
著者
あらすじ・概要
話題の映画「兄を持ち運べるサイズに」の原作で実兄の突然死をめぐる『兄の終い』、認知症の義母を描く『全員悪人』、壊れてしまった実家の家族について触れた『家族』など、大反響のエッセイを連発する翻訳家の村井理子さん。認知症が進行する義母の介護、双子の息子たちの高校受験、積み重なりゆく仕事、長引くコロナ禍。――慌ただしい日々の中で、愛犬のラブラドール、ハリーの傍らで本を開き、心を整える。読書家としても知られる著者が、濃厚な40のエピソードとともに、人生の折々に伴走した40冊を紹介する。
はじめに
父の死と、さみしさという遺産
義父母の介護体験、現在進行形
突然死した兄の汚部屋の饒舌さ
料理に心底疲れ切った絶望感
本とともにやってきたはじめての本気の恋
お弁当時間、女子中学生の憂鬱
金色の目をした黒猫の残像
長く陰鬱な季節の豪華な幸せ、鍋料理
母の葬儀は、本人希望のレディースセット
料理への重すぎる思いからの解脱
迷路を彷徨する母の赤いハイヒール
翻訳家というミステリアスな職業
文字が見せてくれる唯一無二の瞬間
自分の言葉で書き残すことへの執着
長引く自粛生活のなかではじめた楽しみ
喫茶店の娘が直面した三十年前の愛憎劇
オーディオブックがもたらす想定外の効果
緊急事態から救うコミックの世界観と風景
十回目の三月十一日に愛犬の横で流す涙
夜な夜な眠りを妨げる過去の自分の発言
汚部屋片付け作業動画に見える背景
普通が一番幸せという言葉の重み
四十七歳でいきなり辿りついた別世界
愛が、苦悩が、管理に代わる瞬間
焼酎四リットルパックが伝える兄の最期のメッセージ
実家から去っていった大切なペットたち
筋金入りの取り越し苦労からの脱出
中学三年受験生の悩める母の夏
二十五歳までの作文への苦手意識の深層
心臓を撃ち抜いた古い一枚の写真
自分一人の世界を持ちたいと願う気持ち
暗い場所から自分を引っぱり上げる術
夫の両親に贈った大型テレビの行く末
仕事のやる気スイッチを押した最恐物件
四十代とは違う五十代の本当の恐ろしさ
流れの速い川を進む兄と、母の叫び声
認知症進行中の義母の舌に残る菓子の味
すべての事柄にちょうどよさを求める年齢
実兄よりも兄として慕った音信不通のままの男性
義両親と過ごす修行を経て戻った大好きな正月
おわりに
