書誌情報

集英社文庫

芙蓉の干城

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著者

著:松井今朝子

あらすじ・概要

江戸歌舞伎の大作者、三代目桜木治助の孫で現在は大学に奉職する桜木治郎は、その知識と審美眼で役者や裏方から厚い信頼を集めていた。昭和八年四月。女優となった姪・澪子と陸軍軍人・磯田との見合いの席が木挽座で設けられた。舞台では歌舞伎界の「女帝」荻野沢之丞が舞う中、澪子は真向いの席の男女に違和感を抱く。その翌日、木挽座そばで右翼結社「征西会」大幹部・小宮山正憲と芸妓・照世美の惨殺死体が発見された。治郎は警察から協力を要請され、澪子も自身が目撃した二人の奇妙な様子を治郎と磯田に打ち明け、それぞれの立場から事件の真相に迫っていく。歴史の歯車が戦争へと大きく動いた昭和八年を鮮烈に描く圧巻の歌舞伎ミステリー!

1 黒衣の美少年
2 木挽座の見合い
3 降って湧いた襲名
4 消えた二人
5 新たなる事件
6 関西の色
7 道具調べ
8 初日の宴
9 探偵ゴッコ
10 評伝の手がかり
11 齟齬の連続
12 偶然の出会い
13 化かし合い
14 闇の魔群
15 ゴーかストップか
16 梅雨じめり
17 最期の真相
18 風呂の研究
19 静かなる退場
20 蒸し返し
21 分岐点
22 悪の根を断つ
23 海が語るもの
エピローグ