書誌情報

集英社新書

「核抑止論」の虚構

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著者

著:豊下楢彦

あらすじ・概要

2025年は広島・長崎が核攻撃を受けて80年となる。この人類的な悲劇を背景に「核のタブー」が生み出されてきた。しかし、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるガザのホロコースト、「台湾有事」の切迫、北朝鮮の核開発とイランの核問題、印パ紛争、そして「核のボタン」を弄ぶトランプの再登場など、核使用の危険性がますます高まっている。そもそも、核保有を正当化してきた核抑止論は“脅しの信憑性”を核心に据えてきたが、その根底には「狂気」が孕まれている。その本質を歴史的、論理的に解き明かし、核廃絶に向かう道筋と日本の採るべき選択肢を提起する。

はじめに
序章 『博士の異常な愛情』の戦慄
第一章 エルズバーグと「狂気の沙汰」
第二章 各戦略論の陥穽
第三章 「狂人理論」の展開
第四章 「一方的軍縮」の論理
第五章 先制攻撃論と「狂人」
第六章 「核の復権」とは何か
第七章 北朝鮮とイスラエル
第八章 「トゥキュディデスの罠」の罠
第九章 「トランプの傘」という狂気
おわりに