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書誌情報

随筆/ノンフィクション/他

人間の土地へ

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著者

著者:小松 由佳

あらすじ・概要

山本美香記念国際ジャーナリスト賞(第8回)受賞 !!

世界で最も困難な山、K2に日本人女性として初登頂した著者と、今世紀最大の人道危機、シリア内戦に翻弄された沙漠の青年。
平和な沙漠の民が内戦の大きな渦に巻き込まれていく様を二人の目を通し、内側から描いた稀有なノンフィクション。

角幡唯介、ヤマザキマリ 絶賛!

角幡唯介
「小松さんが山を下りてから、どういう生き方をしているのか気になっていた。
混迷のシリアで人間の生の条件を見つづけた彼女の記録は、とても貴重だ」

ヤマザキマリ
「登山で知った自然界の過酷を、シリアの混乱と向き合うエネルギーに昇華させ、全身全霊で地球を生きる女性の姿がここにある」


世界第2の高峰K2に日本人女性として初めて登頂した小松由佳。
標高8200メートルでビバークを余儀なくされたが、命からがら下山し、自分が大きな時間の流れの中で生かされている存在にすぎないと知る。
やがてシリア沙漠で出会った青年、ラドワンと恋に落ち、彼の大家族の一員として受け入れられていく。
2011年、平和だったシリアにも「アラブの春」の波は訪れ、百頭のラクダと共に長閑に暮らしていた大家族も、否応なくその渦に巻き込まれていった。
徴兵により政府軍兵士となったラドワンは、同胞に銃は向けられないと軍を脱走し、沙漠を逃走、ヨルダンへと越境する。
しかし安全を手にしたはずの難民キャンプには、人生を選び取る“自由”がなかった。
ラドワンは、再び戦場であるシリアに自らの生きる意味を求めようとする。
小松とラドワンの二人は、お互いの文化の壁に戸惑いながらも、明日の希望に向かって歩み続ける。


小松由佳(こまつ ゆか)
フォトグラファー。1982年、秋田県生まれ。高校時代から登山に魅せられ、国内外の山に登る。2006年、世界第2位の高峰K2(8611m/パキスタン)に、日本人女性として初めて登頂(女性としては世界で8人目)。植村直己冒険賞受賞、秋田県民栄誉章受章。草原や沙漠などで自然と共に生きる人間の暮らしに惹かれ、旅をするなかで知り合ったシリア人男性と結婚。2012年からシリア内戦・難民をテーマに撮影を続ける。著書に『オリーブの丘へ続くシリアの小道で ふるさとを失った難民たちの日々』(河出書房新社)がある。2021年、『人間の土地へ』で第8回山本美香記念国際ジャーナリスト賞を受賞。