書誌情報
随筆/ノンフィクション/他
旅人よ どの街で死ぬか。男の美眺
著者
あらすじ・概要
エッセイの名手・伊集院静が旅を通して「大人の男の生き方」を綴る!
男が軟弱なのは「孤」を知らないからだ。「孤」を知るにはどうすればいいか。さまようことである。旅をすることである──
そう語る作家が、さまざまな街をめぐりながら、「旅と街と人生」を思索する。
パリ、バルセロナ、グラスゴー、ダブリン、上海……それぞれの街で、ヘミングウェイ、ゴッホ、ジョイスなど旅の先達に思いをはせ、
いかに生きるべきかを描きだす。
旅とは、住む場所ではなく、生きる場所を探す行為である。
生きる場所とは「死ぬ場所」のことだ。どの街で死ぬか──
そんな旅があってもいいではないか、と作家が自問しつつ、「大人の男」とは何かを教えてくれるエッセイ。
旅の写真もふんだんに盛りこんだ、「伊集院静」を楽しめる1冊。
<目次>
プロローグ
■旅よ、旅人よ、至福があらんことを
第一章 旅、あるいは人生について
■生きる場所とは、死ぬ場所である──パリ
■予期せぬことでしか、旅の出逢いはない──パリ
■ボーダーでさまよえ──エジンバラ
■歴史はくり返される──パリ
■人は、焦がれる生きものである──ル・マン
第二章 街、あるいは出逢いについて
■書物は「物」でしかない──パリ
■その血には、誇りがあるのか──バルセロナ
■奇跡を望むか?──バルセロナ
■一本の木を見る旅──ゲルニカ
■土地は、その意志を人間に伝えるのか──ビルバオ
第三章 予感、あるいは耽溺について
■享楽に浸れ、溺れよ──ドーヴィル
■無駄な消費の愉楽──ドーヴィル
■大人の男の安堵──パリ
■旅は、続けるしかない──パリ
第四章 孤独、あるいは芸術、酒について
■“孤"であること──オーベル・シュル・オワーズ
■やさしすぎてはいけない──サン・レミ
■欲望に忠実であることが純粋の証し──グラスゴー
■酒をやめようと思ったことはない──グラスゴー
■妄想と酒は最良の友である──ダブリン
■出発は、生きながらえるために──ダブリン
第五章 記憶、死、あるいは旅について
■出逢った事実だけが、そこにある──パリ
■ともかく、あがき続けることだ──パリ
■この世には、幻想があるだけ──上海
■それでも私は旅を続ける──上海
エピローグ
■そうして旅は終った。
