日本映画界の最後の大物スター、高倉健。古くは「網走番外地」等の任侠映画で名を馳せ、その後「幸福の黄色いハンカチ」「南極物語」「駅STATION」、そして最近では「鉄道員」......と大ヒット作品に主演。世代、性別 を越えて多くのファンがいることは誰もが認めるところです。高倉健さんは大物俳優にもかかわらず、スタッフや友人に優しい心づかいで接し、常にものごとをじっくり思考するタイプです。本書は、そんな彼がこれまでの人生の歩みの中から、自らの人生で体験したこと、折にふれ感じたことを10編の心温まるエピソードとして紡ぎだしました。編集部からの「子供たちは、日常の不安から自分を見失っています。高倉健さんの今までの体験と、折々に感じられたことを子供たちに向けて温かく綴って下されば、読者は元気と勇気をかきたてられるはずです。ぜひ今の子供たちにエールを送ってあげて下さい」という要請を受け、昨年の一月頃から秋頃までかかって書き上げたものです。高倉さん自身が大変に気に入ったという唐仁原教久(とうじんばらのりひさ)氏の描くオール・カラーのイラストも、「健さんの」エピソードにほのぼのとした“味わい”を添えています。「子供たちにエールを送りたい」という申し出に応えて子供向けの「絵本」を書いていただいた形になっていますが、本書には子供だけでなく、大人たちも勇気づけられる「優しさ」に満ちたストーリが溢れています。
「アフリカの少年」「北極のインド人」「南極のペンギン」「ハワイのベトナム料理人」「比叡山の生き仏」「オーストラリアのホースメン」「ふるさとのおかあさん」「奄美の画家と少女」「ポルトガルの老ショファー」「沖縄の運動会」の10篇。高倉健氏が映画のロケ地などで実際に体験し、感じたこと、また土地土地でふれあった人々のことなどが、やさしい言葉で綴られています。「絵本」という性格上、大きい文字で書かれ、ルビも多用してあるので、いろんな世代の方々にも読みやすくなっています。

高倉健(たかくら・けん)

福岡県生まれ。1955年に東映映画に入り、『網走番外地』『昭和残侠伝』シリーズがヒット。76年東映退社後、『八甲田山』『幸福の黄色いハンカチ』『南極物語』など数々の大作に主演。最近では浅田次郎原作の『鉄道員(ぽっぽや)』が大評判をよんだ。著書に『あなたに褒められたくて』(集英社)がある。

 

これは健さんの心の詩(うた)です。
厳しくて、哀しくて、でも優しい、ほんものの男の詩です。
お父さん、子供たちと読んでください。
そして、子供たち、お父さんと読んでください。

女優 檀 ふみ
  繊細でやさしい感性。
えらんだ言葉のひとつひとつに、暖かい温度がある。
この、てのひらにのる本の中には高倉健さんにしか書けない、純粋で、金無垢の、旅 の話がいっぱい。
いつかこんな素敵な旅人になれますように。
女優 本上まなみ
  大スターという責任感や、孤独感を背負って、高倉健さんは生きている。
人の心のひたむきさや、素朴なあたたかさにふれながらの、一歩、一歩が
"健さん"の大きさにつながっているのだという気がした。
強さとは、やさしさなのだと、 もう一度、気づいていく。
イラストレーター 福山小夜
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