受賞作『ラメルノエリキサ』渡辺 優

【梗概】

 小峰りなは復讐に取り憑かれている。自分が歪みなく生きるためにどんな些細なことでも、きちんと復讐で片をつけずにはいられないのだ。罪状の重さに自分や周囲が受けた心の傷の分を上乗せして。
 十六歳の初夏、りなは学校帰りの夜道で何者かに背中を切りつけられる。犯人は逃げる際に謎の言葉を残していた。
「ラメルノエリキサのためなんです、すみません」
 当然のように復讐を誓うりなは、クラスメイトの力を借りながら事件の真相に迫ろうと奮闘する。その異常なまでの執念に、相手を殺すのではないかと、りなの姉は必死に彼女を諫めるものの、その勢いは全く削がれなかった。
 やがて第二の被害者が出る。二人目の被害者は、りなの元彼・篠田の知り合いだった。りなは二人目も篠田の周囲から被害者が出たことが偶然とは思えないのだった。
 そんな折、クラスメイトの会話から「ラメルノエリキサ」が、ラメルはラ・メール(母)から、エリキサはニコラス・フラメルが生成したとされている賢者の石の名称から来ているという事実にたどり着く。不老不死や死者を甦らせる力があるとされるエリキサ。生成には処女の血が必要だとされている。それを誰よりも欲していたのは──。
 りなは、単身、犯人の元へ乗り込む。復讐を遂げるために……。

 


【著者プロフィール】

・生年月日
・出身地
・最終学歴

1987年(昭和62年)
宮城県仙台市
2010年(平成22年)宮城学院女子大学 国際文化学科卒業