『左目に映る星』奥田亜希子 受賞作

【梗概】

 飲み会で出会った男とホテルに行くことも少なくない早季子。だが、人は孤独なものだし、自分はこの世界の誰とも付き合えないと自覚している。早季子には左目に近視と乱視があり、左目だけで見たときの世界の脆さや、それを人と共有できない寂しさを分かってくれたのは、同じような目を持つ小学校の同級生・吉住だけだった。その吉住はもういなくなってしまったというのに、早季子は彼のことが忘れられない。
 ある飲み会で、片目が近視で乱視の同僚がいるという話題になり、早季子はその男・宮内を紹介してほしいと頼む。宮内は声優出身のアイドル・リリコの追っかけをしていてなかなか摑まらないため、早季子は地方のイベント会場まで同行することにした。宮内と話してみて、吉住との違いを痛感するが、宮内は早季子もリリコが気に入ったと思ったらしく、その後イベントの誘いが来るように。彼の真っ向な親切を断りきれず、出かけてゆく早季子。話題はリリコだけだが、消せない虚像を抱える切なさがよく分かり、彼の手を握る。その熱に落ち着かない気持ちになり――。

左目に映る星

【著者プロフィール】

・生年月日
・現住所
・出身地
・最終学歴

1983(昭和58)年10月13日
千葉県
愛知県
愛知大学文学部哲学科卒業