『教授と少女と錬金術師』金城孝祐 受賞作

【梗概】

 薬学部五年の久野は、育毛と油脂を関連づけた研究をしている江藤教授に、油に詳しいという理由だけで、共同研究者として手伝いをさせられていた。成果を出しあぐねる久野に、江藤はかつての教え子である永田を紹介する。永田はやはり油に通じた男で、乾性油によって人を魅了するほどの光り輝く艶を作り出すことができた。久野は教えを乞うて永田と行動を共にするが、彼の勤め先の予備校で、その技術をさらに上回る力を持った女子生徒の荻と出会う。荻は油の艶を超えて、 見る者に世界との共振を錯覚させるほどの力量をそなえていた。
 錬金術師を自称する楊(ヤン)の持論を聞いた久野はやがて、荻の能力が錬金術に通ずるものであることに気づき、自分たちの研究への応用を考える。そして、急速に精神に異状を来しはじめた江藤を前に、せめて理性が残っているうちに成果を見せてやりたいと急ぐ。しかし、荻と永田に深入りした久野は、彼らの抱える傷や暗部に触れていくことになるのだった。

教授と少女と錬金術師

【著者プロフィール】

・本 名
・生年月日
・現住所
・出身地
・職 業
・最終学歴

金城孝祐(かねしろ こうすけ)
1985(昭和60)年4月9日
東京都小平市
神奈川県
会社員
武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了