「妻がフラミンゴになった」。ベルギーの一介の農夫の手帳に記された、この驚嘆すべき文言から物語は語り起こされる。
ある晩、アダムス氏がベッドに横たわり平和な一日を終えようとしていたところ、子供を寝かしつけてから寝室にやって来た妻が、突如フラミンゴに姿を変えてしまう。彼は何が起こったのか必死に考えるが、妻の姿が消え、フラミンゴが現れたという事実以外にわかることはなかった。
これを境に、アダムス氏の生活は一変する。アダムス氏は村人から忌み物扱いされるのを恐れ、フラミンゴの存在を隠そうとする。しかし、家族の秘密は幼い息子の口からあっさりと村中にばれてしまう。アダムス氏の努力が水泡に帰したと思われた矢先、恐るべき事実が明るみに出る。なんと、村中の女性のほとんどがフラミンゴになっていたのだ。
村人たちは初め、一致団結してフラミンゴの群れを匿い、村の秩序を守ろうとするが、次から次へ起こる困難を前に疲弊していき、ついにはフラミンゴを殺処分しようとする一派と、家族であるフラミンゴを守ろうとする一派の抗争が起こる……
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