「国道沿いのファミレス」畑野智美 受賞作

【梗概】

 高校卒業以来、六年半ぶりに生まれ育った町に戻った、佐藤善幸。彼は都内の大学を卒業した後、飲食店チェーンの会社に就職し、配属されたファミリーレストラン、チェリーガーデンで働いていた。店舗で三年ほど働いてから、都内の本社に勤務するはずだったが、問題が起こり、転勤の辞令を渡された。アルバイトの女子高生に手を出したというデマが、インターネット上の掲示板に書き込まれたのだ。
 久しぶりに戻ってきた地元は、あまり変わっていないこともあったが、大きく変わっているところもあった。相変わらずなのは、幼なじみのシンゴ。善幸が会いに行くと男同士なのに、べたべたとまとわりついてくる。大きく変わっていたのは、巨大ショッピングセンター、サクライができていたことだ。東京から一時間半かかる、娯楽の少ない田舎で、買い物から食事まで何でもできるところとして、町の人々が集まっていた。
 サクライでは、新たな出会いがあった。携帯電話屋で働く綾ちゃんと付き合うことになったのだ。しかし、地元に戻ってきて、ずっと避け続けていた父親とも再会してしまう。友人、恋人、家族、それぞれ一筋縄ではいかない関係性を抱えながら、職場のファミレスに通う。そして、職場にも問題がないわけではない。恋人同士のように見えながら、付き合っていない大学生、絡んでくる女子高生、気分屋の女性社員、温和だけれども、痛いところをつかれると怒るアニメオタクのフリーター……。その時々で社員、アルバイトの仲の悪さも考慮しながら、出勤シフトを組まないとならない。善幸は、できるだけ職場の人間とは壁を作って接しようと考えながらも、徐々に複雑な人間関係に巻き込まれていく――。


「国道沿いのファミレス」畑野智美
 

【著者プロフィール】

・本 名
・生年月日
・現住所
・出身地

畑野 智美(はたの ともみ)
一九七九年(昭和五十四年)五月十九日
東京都世田谷区
東京都