「百狐狸斉放(たぶらかし)」安田 依央 受賞作

【梗概】

 かつて劇団を主宰していた39歳のマキ。現在はORコーポレーション所属の「役者」だが、仕事は、依頼を受けては市井の人々の中に飛び込み、何食わぬ顔で誰かの「代役」を果たすというもの。
 ワケあり葬儀での死体役、多忙なセレブ ママの子息の学校行事に出席する母親役、夫の親戚づきあいを厭う新妻役など、役柄は多岐にわたる。依頼人の身勝手さに接することも多く、マキは、プロとして淡々と役を演じながらも、虚しさを覚えるようになっていた。ある日、ニセの 依頼でマキに接触してきた若い男がいた。その男・モンゾウは、マキの過去を知っており、役者としての弱点を指摘する。さらには無理やりマキに弟子入りして何かとつきまとうようになる。
 一方、マキが演じてきた人物たちの真実の生活の中では、少しずつ矛盾やゆがみが生じていた。各所で頻発するトラブルに対処するために現場に赴き、懸命に役を演ずるマキだったが…。


「たぶらかし」安田 依央
 

【著者プロフィール】

・生年月日
・現住所
・出身地

一九六六年(昭和四十一年)一月十二日
京都府木津川市
大阪府堺市