
【梗概】 |
||
太平洋に面した、東北のとある小さな町。二十五歳の亮介は、朝は祖父・祖母の農作業を手伝い、また日中は、三十棟完成をめざし精力的にツリーハウスを作り続ける「親方」のもとで働いている。亮介は過去に服飾デザインの専門学校を中退。その時の心の傷が原因で、ワイヤーで首をしめられた状態でヘリコプターから吊り下げられる自分の幻影をしばしば見るようになる。就職したことも、仕事らしい仕事をした経験もない亮介は、故郷を出てひとりで生活しなければと思っているが、面倒をみてくれている親方になかなかそれを言いだせないでいた。そんな亮介に、さらなる憂鬱のタネが。自称舞踏家の兄・慎平が大阪から帰ってきたのだ。弟を平然と従僕扱いする慎平に、案の定亮介は振り回される。今回は慎平が恋の予感に舞い上がっているため、なおさらタチが悪かった。しかし、その恋がきっかけで、自分と慎平、そして親方との破局が訪れるとは、亮介には想像すらできなかった…… |
||
【著者プロフィール】 |
![]() |
|
・本 名 |
木村友祐(きむら・ゆうすけ) |
|