「好去好来歌」温又柔 佳作

【梗概】

 台湾・台北市で生まれた楊縁珠(よう・えんじゅ)は、三歳で来日し、東京で育ってきた。十九歳の誕生日を控えたある日、二歳年上の「麦生」と出会う。「中国語入門」の教室で縁珠を見かけたと話す麦生の声に惹かれ、縁珠は麦生と親密になっていく。しかし麦生には北京に留学する予定があった。縁珠は麦生が旅立つまでの日々を大切にしようと、頻繁に麦生の部屋を訪れるようになる。ある夜、帰りが遅くなった自分を、母が中国語と台湾語と日本語で叱るのに反発を覚えた縁珠は、「ちゃんと日本語で話して!」と叫んでしまう……。縁珠は麦生を家へ招き、母に紹介することにした。日本人の麦生に、母は日本語で話そうと懸命に努めるが、麦生は得意の中国語で、縁珠の母に話しはじめる。母に向かって屈託なく中国語を話す麦生に対し、縁珠は複雑な思いを抱いてしまう。その夜、祖父が倒れ、縁珠は、麦生に連絡することもなく、あわただしく母と共に台北へ向かった。祖父の葬儀が済み東京へと戻ってきた縁珠は、一ヶ月ぶりに麦生と再会する――。


 

【著者プロフィール】

・本 名
・生年月日
・現住所
・出身地

温又柔(おん・ゆうじゅう)
一九八〇年(昭和五十五年)五月一四日
東京都台東区
台湾台北市