『赤い傘』 花巻かおり

【梗概】

中学二年生の川原祥子は、祖父の徳治、父の義一と母の千秋、姉の美千子と暮らしている。家族の住む田舎町は開発が進み、年々変化していた。左官職人の義一が道具類を置いていた家の向かいには、今ではアパートが建ち、川原家の隣の土地では、分譲住宅の大規模な建設工事が進んでいる。周囲の急激な変化に戸惑う祥子は、赤い傘を手に工事現場の「偵察」をしている。祥子にとって赤い傘は、「工事反対」の意思を示すシンボルだった。
ある夜、向かいのアパートの二階に住むフィリピン人の女と日本人の男が言い争いをはじめた。やがて、一階に住む水商売風の日本人の女も騒ぎを起こしはじめる。連日つづく騒動を、寝不足になりながら川原家の面々は覗いていた。今までにない大喧嘩が起きた夜、いつものように覗いていた祥子の視界に、突然、徳治が入ってきた。喧嘩を収めようとする徳治が、苦しそうにうずくまるのを見た祥子は、徳治のもとに駈けつける――。

 

【著者プロフィール】

・本 名
・生年月日
・現住所
・出身地

小池香織(こいけ・かおり)
1979年(昭和54年)3月8日
静岡県焼津市
静岡県焼津市