第16回柴田錬三郎賞
『秋の猫』・藤堂志津子
梗概
ペットとのかかわりを通して癒されていく女たちの物語を集めた短篇集。
『秋の猫』男はもうこりごり・・・・・・と思った三十六歳の私は、ついに念願の猫を飼うことにした。だが、二匹のうち一匹がどうしてもなつかない。思い通りにならない一匹に焦りを募らせていく私だったが。
『幸運の犬』結婚を機に犬を飼ったとたん仕事が成功し、次に夫は愛人を作った。いざ離婚という時になって、夫も私も犬の「親権」を主張して譲らない。犬は幸せの守り神、この犬がいなければ、この先の幸運はない、とふたりとも思いつめていた。そして・・・・・・。
『ドルフィン・ハウス』ある日見つけた奇妙な建物。壁いっぱいに描かれていたイルカやクジラの絵。それを描いた建物のオーナーで五十一歳の待田と知り合った私は、男の猫の面倒を見ることで「玉の輿」に乗ろうと画策する。だが、肝心の猫がなつかない。
『病む犬』ありったけの愛情を込めてかわいがっているロングコートチワワのマシュー。だが病気がちのマシューの治療費は増える一方。そんな時私はペット・クリニックで一人の男と出会う。飼い犬が死んだばかりだというその男と私は会えば話をする仲になるが。
『公園まで』ある日公園で出会った男は、以前飼い犬同士の「お見合い」をした相手だった。離婚して一人になっていた私は、同じく独り者である男に惹かれていく。
著者プロフィール
1949年北海道生まれ。藤女子短期大学国文科卒。1988年デビュー作『マドンナのごとく』で第21回北海道新聞文学賞受賞。1989年『熟れてゆく夏』で第100回直木賞を受賞。1989年北海道栄誉をたたえて賞、1990年札幌市民芸術賞を受賞。
 

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