SHUEISHA JOURNAL
Journal #05

雑誌編集をDXする集英社発のDAM

編集作業プロセスの効率化・
アセットの共有を実現するMDAM

雑誌編集の現場では日々、膨大な画像やテキストなどのデータが生み出される。これらすべてをプラットフォームで一元管理しているのが、集英社発の出版特化型DAM(デジタルアセットマネジメント)、MDAM(エムダム)だ。
「デザイナーがレイアウトをMDAMにアップロードすると、編集者がMDAM上で原稿を書き、印刷会社は原稿データをMDAMからダウンロードして製版する、というのが基本の流れです。雑誌の号ごとに全特集が台割(表紙から裏表紙まで、全特集、全広告ページを、掲載順に並べた設計図)の順にプレビューされ、初校、再校などの進行状況も表示されます。編集部員はどこでも入稿・校正ができるし、編集部だけでなく営業・管理部門も雑誌全体の進捗をMDAMでつねに把握できる。電子配信用のPDFやSNS用画像もすぐに取得できるしウェブのCMSにも連携可能です」

MDAMは2017年末より運用をスタートし、現在、週刊・月刊の定期刊行誌13誌を含む社内18媒体で使われるほか、同業他社にも導入が進んでいる。
「もともとMDAMの開発目的のひとつは、ファッション誌のワークフローを平準化することでした。それまでは各誌が異なるフローで制作していて、編集部が違うと異なるツールを使っていることもあった。そんななか雑誌の電子配信を始めることもあり、いよいよ各誌共通のインフラが必要になってきたんです。また、他社さんにおいても編集現場の課題は共通しており、ご提案したところ現在多数の媒体で導入されています。「競争」と「協業」でいえば協業面で、出版業界のエコシステムとしてお役に立てればと思っています。また、将来的にはMDAM上のデータを活用したビジネスサービスをつくり、売上を立てるところまで持っていけるとよいと考えています」

MDAMのトップ画面。直感的な操作が可能なユーザーインターフェースになっている。

PROFILE

雑誌デジタル編集室副室長
松下 延樹

2001年入社。「Seventeen」などのファッション誌の整理編集を長年担当し、雑誌デジタル編集室では雑誌の電子配信に携わり、MDAMの開発と導入を推進。

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