営業の仕事 「ジャンプフェスタ」運営担当者インタビュー「ジャンプフェスタ」の舞台裏から

毎年12月に開催される「ジャンプフェスタ」。
昨年は2日間の開催期間で、14万人を超える来場者を記録しました。
その運営担当者が、「ジャンプフェスタ」にまつわる仕事、
そして営業部門で働くやりがいについてお話します。

profile

平成23年入社。以来、宣伝部に在籍。
現在の担当誌は、
『少年ジャンプ』『エクラ』『メンズノンノ』。
学生時代は、体育会ラグビー部に所属。
いまでも週末はクラブチームで
楕円球を追いかけています。

イメージ写真

千葉・幕張メッセで開かれた昨年の「ジャンプフェスタ」。連載マンガの原画展示や声優・タレントさんのステージ、グッズ販売など、多様なブースがイベントを彩る。
(撮影/和田篤志)

まずは、普段の仕事内容を教えてください。

集英社の営業セクションには、私の在籍する宣伝部のほかに広告部、販売部、制作部などがあります。そのなかで、宣伝部はいろいろな宣伝施策を通して「読者が作品と出会うきっかけづくり」を担う部署です。
具体的には、書店に掲示するPOPやポスター、駅貼りポスター、中吊り広告の作成。『ナツコミ』のような販促キャンペーンで使用するノベルティの企画や作成。そのほか、読者イベントなどの企画・プロデュースがおもな仕事になります。

集英社は近年、様々な読者イベントを開催しています。イベントについて、もう少し教えてください。

はい。たとえば私が以前担当していた「りぼんフェスタ」は、作家さんのサイン会やマンガの描き方教室など、りぼん読者だからこそ楽しめる体験を重視したつくりでした。『りぼん』は集英社の少女マンガの入口となる雑誌なので、マンガの面白さを幅広く感じていただくことが大切なテーマですね。『りぼん』でマンガの魅力に目覚めた子どもたちが、年齢を重ねるにつれて『マーガレット』『別マ』『ココハナ』『クッキー』『YOU』へとシフトしてもらえたらいいなと思っています。
「ジャンプフェスタ」は例年12月に幕張メッセで開催していて、マンガはもちろんアニメやゲーム、グッズが一堂に集まり、多彩なブースが展開されています。「そこに行けばジャンプの全てがある」と感じられるイベントでしょうか。

とくに「ジャンプフェスタ」は、開催2日間で十数万人の読者が来場する巨大イベントですが、
準備はいつ頃からはじまるのでしょうか?

毎年、1月~3月に前年を振り返ったうえで、次開催の方針を決定します。4月~5月には主催各誌(『少年ジャンプ』『少年ジャンプ+』『Vジャンプ』『ジャンプSQ.』『最強ジャンプ』)の編集長たちと一緒に関係各社に伺って協力のお願いをし、7月からブースやステージの中身についてのミーティングをスタート。9月から開催告知をはじめて、12月のクリスマス前後に本番を迎えます。

「ジャンプフェスタ」の運営担当者としての役割を教えてください。

これだけの大きなイベントなので、ひとりで何かを進めるのはまず無理なんです。各メーカーの方やイベント運営会社の方、さらには各編集部と、社外・社内が一丸となって取り組んでいます。そこでの各種の連絡や調整を行なうのが、私の主要な役割となります。
また、私は『少年ジャンプ』の宣伝担当でもあるので、少年ジャンプブースの中身を編集部の担当者と相談しながら決めていきます。

本番に至る過程の中で、大切にしていることや気をつけていることは何ですか?

まずは来場者の皆さんの安全が第一です。災害時の危機管理マニュアルを作成したり、ここ数年は手荷物検査を実施させていただいていたりと、皆さんに安心して楽しく過ごしてもらうにはどうすればよいかを常に念頭に置いています。
それと、もちろん各マンガ作品の魅力を最大限に活かした見せ方には、こだわらなくてはなりません。以前、『銀魂』のステージでクイズ大会を行なったのですが、優勝賞品が額に入った空知先生のパンツだったことがあって……(笑)。『銀魂』ならではというか、作品の個性が発揮されたステージになりました。
また、ここ2、3年は主催各誌の誌面を使った告知だけでなく、TwitterをはじめとするSNSでの告知にも力を入れています。昨年は、それまでバラバラだったTwitterのハッシュタグを統一したことで、開催当日に“#ジャンプフェスタ”がトレンド入りするなど、狙い通りの効果を上げられました。
「ジャンプフェスタ」に限らず、Web系のプロモーションについては今後、もっと力を入れていかないとなりませんね。

会場内に特設された「ジャンプスーパーステージ」ではマンガ家さんや声優さんによるトークショー、ライブなどが繰り広げられる。
(撮影/菊地寛子)

「ジャンプフェスタ」の運営担当者の醍醐味は?

来場してくださる方々の反応を、ダイレクトに感じられるところです。たとえば、ジャンプスーパーステージという大きな舞台に、マンガ家さんや声優さんが登場すると大歓声が沸きあがる。それを見ていると「自分の関わっている仕事が、これだけの人に愛されているんだな」ということを肌で感じられるんです。イベント中は、会場内の巡回や様々な対応に追われているのですが、時間をみつけてジャンプスーパーステージのオープニングは観に行くようにしています。

これからの「ジャンプフェスタ」の展望や思いがあれば教えてください。

「ジャンプフェスタ」も第1回から数えてもうすぐ20年。いろいろな見直しに入る時期だと思います。現在進行形の『ジャンプ』グループの魅力をどう伝えるかに重きを置いて、時代の移り変わりにあわせたつくりを考えていく必要があるでしょうね。「ジャンプフェスタ」自体とにかく規模の大きなイベントなので、より少人数の単位で開催されるファンミーティングのようなものがあってもいいのかなと思います。

話題は変わりますが、職場の風土や文化について「集英社ならでは」と思うことがあれば教えてください。

若手に対して裁量を与えてくれる、権限を与えてくれるということは実感しています。私が「ジャンプフェスタ」の担当になったのも、入社2年目のときでしたから。振り返って考えると「よくそんな若造に担当させたなあ」と思います(笑)。こんなことがやりたい、こうしてみたいというアイデアがあれば、周りも後押ししてくれる社風があるからこそなんでしょうね。

宣伝部の仕事の魅力ややりがいは何ですか?

様々な宣伝施策やキャンペーンに対して、たくさんの反響が返ってくるのですが、読者に楽しんでもらえていると感じたときは、やはりうれしいですね。また、「キャンペーンをご覧になった作者の先生が喜んでいた」などと担当編集を通して耳にするのも、何事にも代えがたい喜びがあります。昨年、『こち亀』40周年を記念して「両さんが浅草花やしきをプロデュースしたら」というコンセプトのコラボイベントを企画しました。それをご覧になった秋本先生が「両さんがプロデュースをしたら、まさにこんな感じです」とおっしゃってくださったようで……。それを聞いたときは、本当にうれしかったですね。
私自身、大学ではラグビー一筋という生活だったのですが、マンガも大好きで。社会に出たら好きなことを仕事にしたいと思っていたので、いまはすごく楽しいです。
また営業の仕事は、様々なスペシャリストの方々の力を借りて一つのモノをつくり上げるという点で、編集の仕事との共通点も多いと思います。

最後に、就活生へのメッセージをお願いします。

まずは学生生活を思いきり楽しんで、自分の好きなことを突き詰めてみてください。その経験はきっと出版社での仕事に活かされるはずですので。
また、就職活動って、大変なことも多いのですが、楽しいこともあるんですよ。OB・OG訪問なんて、いろいろな業界で働いている人たちのナマの話を聞けるまたとないチャンスですし、一生を通じてそんな機会はめったにありません。ですので、あまり気負いすぎず、瞬間瞬間を楽しむくらいの心持ちで就職活動に臨んでほしいと思います。頑張ってください。 ※インタビューは2017年1月時点の内容です。

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