ファッション誌の仕事 メ『Seventeen』『MORE』『SPUR』若手編集者クロストーク 女性ファッション誌編集部のリアル

流行のファッションから、ビューティ、旅、グルメ、恋愛、いまをときめくイケメン俳優まで……、
ありとあらゆる気になる情報をギュッとつめこんだファッション誌。
『Seventeen』『MORE』『SPUR』で活躍する編集者3人が集合し、
仕事のやりがいや編集部の様子など、本音で語り合いました!

Profile

  • セブンティーン

    入社以来、女子中高生のバイブル『Seventeen』編集部に所属。読み物からファッションまで幅広くこなし、丸3年間担当した投稿コーナー「JKつのだの第三次成長期」は、全国の読者の圧倒的支持を得る名物ページに。

  • シュプール

    入社以来、ハイブランドを中心としたモードファッションを提案する『SPUR』編集部に所属。ファッションページのほか、旅やカルチャー、美容ページなども担当。NYやミラノのコレクション取材経験もあり。

  • モア

    入社以来、20代OLを対象とする『MORE』編集部に所属。読者と同世代の強みを活かしながらメインでファッションページを担当するほか、著名人のインタビューや、人間関係や恋愛など読み物系の特集も手がける。

Question01

――――ファッション誌編集部のイメージは、入社前と後で変わりましたか?

福 井:私はもともと男性ファッション誌志望で、女性ファッション誌の編集部には、ちょっと怖そうなイメージを持っていました(笑)。でも実際に、モア編集部に配属されたら、若手の意見を上の人がすごく尊重してくれることに、まず驚きました。学生の頃は、会社って上司の意見を聞くものだとばかり思っていたけれど、実際には「福井はどう思うの?」「福井がそう思うなら、それでやってみよう」と言ってもらえる。自分のやりたいことを信じて、のびのび仕事をやれる環境なので、ありがたいですね。

角 田:私はファッション誌志望でしたが、『Seventeen』は読んでいなかったので、配属が決まったときはちょっと悲しかった(笑)。でも、仕事を始めてみたらすぐに“なんて面白い雑誌なんだろう”と思いましたね。ファッション誌と言っても、ファッション以外の特集が1冊の半分くらい占めていて、流行りものもSNSもイケメンも、女子高生の興味があることなら何でもできるんです。だから何年やっていても飽きないし、取材する女子高生たちが、いろいろ情報を提供してくれるので、ネタが枯渇することもありませんね。

板 垣:私もファッション誌志望だったので、シュプール編集部に配属になったときは嬉しかったです。もちろん仕事は厳しい面もありますが、想像していた以上に楽しかった。最初の頃は、ハイブランドについて知らないことも多く、いっぱい勉強しましたね。

Question02

――――「うちの編集部のここが面白い」という点を教えてください。

板 垣:ファッション好きな方にぜひお伝えしたいのは、『SPUR』の一番の楽しさは、“モードの最先端”に触れられるということです。以前、コレクション取材でミラノに行かせてもらったんですが、モデルが実際に次のシーズンの服を着てランウェイを歩くのを目の前で見たときはとても感動しました! 服はもちろんのこと、モデルやメイクアップ、音楽やセットなどの演出すべてが一流で。デザイナーの提示する世界観を、それらすべてから総合的に感じることができて、とても興奮しました。

福 井:『MORE』は20代OLが対象読者ですが、入社当初はOLさんの知り合いもいなくて、あまりイメージがつかめずにいたんです。でも、取材を通じてたくさんのOLさんと接するうちに、オンの日とオフの日では着たい服が違うし、会社ではあまり悪目立ちしたくないけれどオシャレがしたい、というようなOLさんならではのファッションへのリアルな視点に気づくことができて。そこへ向けて、ファッション提案をすることに面白さを感じています。

角 田:もう何年も前のことですが、広瀬アリスちゃんが『Seventeen』の専属モデルになったとき、お部屋を取材する企画でお家にお邪魔したんです。そのときまだ小学生だった妹のすずちゃんがいて、“なんて、可愛いんだろう!”と思っていたら、数年後に専属モデルとして入ってきた(笑)。いまや女優として大活躍ですからねえ。昔から見ていた女の子が、どんどんキレイになっていく様子を撮影するごとに追えるのは、なかなか出来ない仕事だと思います。10代は最も変化の幅が大きいし、貴重ですよね。

板 垣「初めて行った海外コレクション取材では、最先端のモードを身にまとってランウェイを歩くモデルの姿に、とても興奮しました!」

板 垣:担当したなかで一番印象的だったのは「美しい服、泣ける服」という企画です。某ハイブランドのお店の試着室での出来事なのですが、その日は買う予定はなく“とりあえず試着だけ”と思ってシャツを着たところ、鏡に映った自分の体が、別人のようにキレイに見えたんです! 感動して思わず泣きそうになりました、本当に。そのときの体験をもとに「泣ける服」というタイトルで編集会議に企画を出したところ、編集長が「いいじゃん」と言ってくれて。“服を着ることで感涙する”というテーマで作家の川上未映子さんにストーリーを書いていただき、それに合わせてファッション写真を撮りました。川上さんの素晴らしい文章と写真が融合して、ファッション誌の可能性を感じた特集でしたね。

福 井:ファッション誌はやってみたいことを意外と何でも実現できるのが、楽しさのひとつですよね。ファッション以外のページでも、ずっと会いたかった俳優さんにインタビューできたり、恋愛テーマなどの読み物ページもやっていて楽しいです。

最近の印象的だった担当特集

  • Seventeen

    いまどきのDK(男子高校生)の生態を紹介した特集です。モテクや、赤裸々なスクショの披露など……チャラ男っぷりに驚きつつも、いつも楽しみながら取材させてもらっています。出演してくれるDKたちは、みんな誌面に出たいということもあって、すごくマジメに、ハジけてくれるんですよ。

  • SPUR

    ハイブランドや古着などのミックススタイルを、パブリックアートとともに撮りました。写真はページのレイアウトとロケハン時の写真です。服はキレイに見せつつ、アート作品もきちんと紹介したい。そのバランスが難しかったです。もちろん撮影するアート作品の許可申請などの事務手続きも編集が行なうんですよ。

  • MORE

    定番の着回し特集ですが、今回は人気モデルの佐藤ありさ、佐藤栞里、逢沢りな、岸本セシルの4名が出演する大企画で、計100カットの撮影に5日間を要しました。それぞれの日常のストーリーを絶妙に絡めつつ、最終ページには4人のとびきりの笑顔の集合カットを入れて、豪華なページが出来上がりました。

Question03

――――逆に、仕事でツラいこと、困ることは何かありますか?

福 井:うーん、あまりないですが……。みなさん同じだと思いますが、ファッション誌の仕事は、つねに先、先のことを考えないといけないですよね。いまは秋でももう春の企画を考えている。そのあたりの感覚に慣れてくるまでは大変でしたね。

角 田:すごく寒い時期の春服テーマも、キツいですね。2月で雪が降っているときに、春の号の制服テーマで、読者を60人くらいスナップしたときは大変でした。女の子たちも寒さで膝とかが真っ赤になっちゃって、本当に申し訳ないなと思いながら撮り続けていたら、カメラマンさんのカメラもついに動かなくなり……。あと、私の場合、本当に朝が苦手なので早朝ロケもツラいです(笑)。

板 垣:私はとくにないですが、しいて言うなら休みの日でも、旅先でも、つねに編集会議に出す企画や、Webの「SPUR.JP」に書くネタを探してしまうことでしょうか。24時間いつも何か新しいことを探している感じがあります。たまに、すべてを忘れてぼーっとしたい、と思うこともありますよ。

福 井:私は休日はなるべく仕事のことは考えないんです。やらないといけないときにしか、やらない、みたいな(笑)。土日もだいたい普通に休んでいますよ。

角 田:『Seventeen』はモデルが学生で土日しか撮影できない場合が多いので、休日出勤も少なくないですね。もちろん編集部のみんな、平日に代休を取っていますが。

福 井「入社前に想像していたよりも、自分の裁量に任されているところが大きく、自由度が高いのもこの仕事の魅力です」

Question04

――――ファッション誌の編集者として、服装や身だしなみで気をつかっている点は?

板 垣:基本的なことで恐縮ですが、TPOですね。というのも以前、大きな失敗をしたことがあって……。ガイド取材でNYに出張中に、昔から『SPUR』とおつきあいのあるファッションデザイナーの方と夕食をご一緒する機会があったのですが、なんと私は前の取材時のままリュックとサンダル姿でレストランに行ってしまい……。同行した先輩にこっぴどく叱られました。そのとき言われたのが、“相手に日本のモード誌の代表として見られるか、東京キッズが来たと思われるかは、自分次第”という言葉。すごく反省しましたね。

角 田:取材や撮影時のことを考えると、動きやすい格好になりますが、編集部全体を見ても、スタッフみんなそれぞれ好きな服装をしている感じですね。でも、タイアップページの打合せなど、クライアントさんにお会いするときは、いつもよりきちんとした服装を心がけています。

福 井:スタイリストさんやアパレルのプレスの方など、ファッションのプロと一緒に仕事をする以上、“私はトレンドを意識していますよ”ということを、服装からもわかってもらえたほうが先方も仕事がしやすいと思うんです。だから、例えば初めてお仕事するカメラマンさんと打合せをするときは、ちょっとオシャレをしたりしますよ。“この人はこういうセンスの人なんだな”と思ってもらうことは、仕事をするうえで、意外に大事なことだと感じています。

角 田「モデルさんがどんどんキレイに成長していく姿を目の当たりにすると、とても嬉しくなりますね」

集英社喫茶室のお気に入りメニュー

Question05

――――最後に就活中の方に向けてメッセージを。

福 井:ファッションが好きな人にとってはもちろん楽しいと思いますが、それ以外にも、会いたい人がいるとか、取材したいテーマがあるとか、何かひとつでもやりたいことがあれば、それを掘り下げられるのがファッション誌の仕事の魅力。自分がやりたいことがやれるのは嬉しいし、楽しいなって自分自身も思っています。

角 田:必ずしも『Seventeen』を読んでいなくても大丈夫です。それよりもモードが好きとか、カルチャー好きとか、いろんなテイストの人に来て欲しい。『Seventeen』っぽいテーマに凝り固まらずに、新しい視点を編集部に運んでくれる人がいたら嬉しいです。

板 垣:ファッションに相当詳しくないとモード誌は無理、と思っている方もいるかもしれません。でも決して私も詳しくありませんでした。スポンジのようにたっぷり吸収すれば、知識は後からついてきます。情熱がある人にぜひ来て欲しいです! ※メッセージは2017年1月時点の内容です。

CLOSE-UP INTERVIEW
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