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元気か?花粉がどこかへ行っちまったので、俺はきわめて元気だ。こうなってくると、無敵のオヤジさ。君は大丈夫か?気力を失ってはいないか?時々思うが、人生は気力をみなぎらせた方が、楽しいぞ。俺は、一年に何度か、自分で自分に気力を注入する。なに、難しいことではない。気息を整え、心気を集め、思いっきり自分を否定するのだ。心を、自分でぶん殴るのだ。すると躰の底から、ぬおっという気力がわいてくる。自分の心をぶん殴るのは、自分しかできない。だから徹底的にやろうとするやつはいない。君もやってみるか。徹底すればするほど,底から湧いてくる気力も、大きくなる。なに、人間は、ほとんど完全には自分を否定しきれないのだからね。なら意味のないことなどと言うなよ、と君は言いそうだが、ぼんやりした自己否定の中に留まるのが、人には一番よくないと俺は思っている。思いっきり否定して、耐えきれないほどになったら、解放し、強力な逆ネジの力で肯定の極限まで飛び、そこから走りはじめる。ま、そんなところかな。俺のエネルギーの出し方だよ。
気が遠くなるほど長い長い物語を紡いでいると、そんな方法を持っていないと、どこかが緩んできてしまう。生きるって、そういうものじゃないかな。誰だってそんな方法を持っているに違いないのだ。朦朧とした日々の中で過ごすのは、できる限り少ない方がいい。
第12巻の発売だ。ここまで付いてきてくれた君よ、ありがとう。俺はやはり、君に支えられてここにいるのだろう。しみじみとそう思うよ。ひとりで書いているなんて、俺は思ってはいない。読者である君が、いつも並走してくれていることを信じて、俺は走り続けてきたのだ。
このメールを書くとき、俺はしばしばその巻を書いていたころのことを、思い出す。一度も、孤独ではなかった。ひとりきりで書いていても、いつも君の息遣いが聞こえた。ページをめくる音が聞こえた。思い出すと、心が震えるよ。
もう少しで,完結だ。ほんとうにありがとう。
またな、わが友よ。 |
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