受賞作『星に願いを、そして手を。』青羽 悠

【梗概】

 まだ、何も終わっていない。
 中学三年の夏休み。宿題が終わっていない祐人は、薫、とうに終えた理奈と春樹と共に、プラネタリウムに併設された図書館で、勉強会に参加していた。そんな彼等を館長はにこやかに迎え入れ、宇宙の話を楽しそうに語ってくれた。いつでも夢にあふれ、四人でいれば最強だと信じて疑わなかった。
 時が経ち、大人になるまでは──。
 理奈と共に大学で宇宙を研究するはずだった祐人は夢を諦め、文系大学を卒業後、故郷に帰り、公務員となった。そんな祐人を許せない理奈は、夢にしがみつくように大学院に進み、迷いながらも宇宙の研究を続けている。薫はプラネタリウムのお手伝い、春樹は実家の家電店を継いだ。それぞれ別の道を歩いている。
 高校卒業以来、会うことがなかった彼等が再び顔を合わせるのは、急逝した館長のお通夜だった。全員、館長の死がきっかけで閉館になる図書館の手伝いを引き受け、また集まることが多くなるのだった。館長が残した英文と数式のファイルの謎や、喧嘩別れをしてしまった祐人と理奈のぎこちない関係、館長の孫・直哉に託された暗号など、最強だった四人が導く答えとは──。


【著者プロフィール】

青羽 悠(あおば・ゆう)
2000年、愛知県生まれ
現在、高校二年生