【梗概】

 若くして男の暴力的な性を描きデビューした作家、小海鳴海の担当編集者宛に、鳴海の夫から、妻である小海鳴海の失踪を記した手紙と、彼女が残したという手記「残虐記」が送られてくる。手記の内容は、彼女が二十五年前の少女監禁事件の被害者であったという驚くべきものだった。

事件の加害者で最近出所した健治から手紙を受け取った鳴海が、事件の記憶を綴り始めたという手記の中で綴られる、事件の告白と想像。鳴海の夫であり、事件の担当検事でもある宮坂こと生方の手紙に記される事件への推理。

様々な人間の手紙や手記のみで構成された物語は、事件の真相は闇の中に隠したまま、人間の想像力をめぐり生み出される、虚構と真実を暴き出していく。

 

【著者プロフィール】

石川県金沢市生まれ。成蹊大学法学部卒。
会社員を経て文筆業に入る。
93年「顔に降りかかる雨」で第39回江戸川乱歩賞を受賞。
「天使に見捨てられた夜」「ファイアボールブルース」「水の眠り灰の夢」など。
98年「OUT」で第51回推理作家協会賞受賞。
趣味は映画鑑賞。
99年、「柔らかな頬」で第121回直木賞受賞。
2003年、『グロテスク』で泉鏡花文学賞受賞。

2004年11月26日(金)発売新刊『I'm sorry,mama.』詳しくはこちら