

阿蘇へと続く山道を、幾度も折れたその果てに―
この世のものとは思えぬ、巨大な鉄の門があるという……
そんな噂を聞き、手がかりとなる絵図を手に「見てみたい!」と
興奮するのは、人並みはずれた好奇心を持つ商人・蜘蛛助。
またかと呆れるのは、ある目的のために全国を旅する牢人・兵庫。
大坂の陣より5年。世が幕藩体制に向かう時代の九州を舞台に、
正反対の性格の流れ者2人組が「不可思議」を求めて旅に出る!

室町末期、各地の戦で力をふるい、怖れられていた傭兵集団「蛇衆」。
頭目・朽縄ら6人は、そのときどきの雇い主のもとに赴き、銭を得ている。
一方、九州の鷲尾領では、当主・鷲尾嶬嶄の2人の息子が、家臣らを巻き込み、
激しい家督争いを繰り広げていた。
「蛇衆」が鷲尾家に雇われ、めざましい働きをみせた戦が終わり―。
朽縄が、30年前に死んだとされる嶬嶄の嫡男ではないか?という噂が、どこからともなく囁かれるようになる…。