あらすじ・概要

「渡辺淳一恋愛小説セレクション」第3巻。<無影燈>
外科医として、その優秀さから将来を嘱望されていたにもかかわらず、今は個人病院の一勤務医である直江庸介。
二枚目で腕もよく、医師法にも通じている彼は患者や看護師たちから人気があり、女性たちとの噂が絶えない。
しかし日々の暮らしは酒に溺れ、どこか投げやりで、すさんだものである。
そんな直江と関係を持った看護師・志村倫子は突き放すような態度しかとらない彼を愛するようになる。
直江はなぜ本心を誰にも明かさず、生き急ぐような毎日を送るのか。倫子は次第にその謎に近づいて行くが……。
ミステリアスで魅力的な外科医を主人公に、著者自身の医師としての実体験を惜しみなく盛り込み、医療小説としても読める恋愛小説の傑作。
解説はやはり医師でもある作家・加賀乙彦。