最新刊
あらすじ

☆堀田家の我南人が情報バラエティ番組に出演!? そして迎える“大引っ越し大会”。慌ただしい日々の中、かつて閉店したお店の謎や、突然の放火疑惑、大事な家族のメンバーとの別れが…。

 東京のやたらお寺が多い辺りの下町で、古書店〈東亰バンドワゴン〉を営む堀田家の日々をお届けする〈東京バンドワゴン〉シリーズ。今年で十八作目になりました。
 一作目『東京バンドワゴン』を書いてから十八年が過ぎてしまったわけですね。生まれた子供が高校を卒業しちゃうまでになってしまいました。
 毎回、同じことしか言えないのが悔しいのですが、こんなにも長く続けてこられたのは、もちろん集英社の〈チーム東京バンドワゴン〉あってのことですが、応援してくれる書店員さんたちの存在も大きく、何よりも毎年春の発売を楽しみにしてくれている読者の皆さんのお蔭です。本当に、ありがとうございます。
 すっかり恒例の〈シリーズについての説明〉ですが、このシリーズは〈堀田家の今の一年〉を描く〈本編〉が三作続き、〈主に過去の時代の堀田家など〉を描く〈番外編〉を一作挟むという形で続いています。今回は三作続く〈本編〉の真ん中です。予定では来年もう一作〈本編〉を書いて、記念すべき二十作目、第二十弾は〈番外編〉になりますね。
 そしてもうひとつ、物語の中ではほぼ毎年ひとつずつ年を重ねている〈堀田家〉ですが、二巻に亘って同じ季節を重ねつつ〈番外編〉を挟みますから、皆さんよりも数年前を生きています。なので、堀田家の世界にコロナ禍が訪れるのはもう少し先ですが、果たして本当に訪れるかどうかはまだわかりません。
 十八作目になる今回の新刊のタイトルは『ペニー・レイン 東京バンドワゴン』です。
 本編ですからいつものビートルズナンバーです。〈レイン〉となると日本人はどうしても〈雨〉を思ってしまうのですが、曲の原題は〈Penny Lane〉つまり無理やり日本語にすると〈銅貨通り〉で町の〈通り〉の名前なんですね。ならば〈ペニー・レーン〉と表記したくなりますが、日本での正式な曲名表記が〈ペニー・レイン〉なのですよ。
 今回はそのタイトル通り、〈東亰バンドワゴン〉と堀田家がある下町の〈通り〉を主役にした物語になりました。
 読者の方はご存知の通り、堀田家周辺ではこの春に多くの引っ越しを控えています。ならばビートルズも歌う〈懐しいあの通り〉という〈ペニー・レイン〉に乗せて、堀田家がある〈通り〉のご近所さんたちのことをきちんと書いてみようと思いました。今までも物語の中で、ご近所に多く存在するお店のことはちょこちょこと書いていましたが、メインにすることはありませんでしたからね。
 コアな読者しか覚えていないような、名前だけは出してきたたくさんのご近所のお店の最近の様子や、新しく訪れる人たちを巻き込んだ、かつて存在したお店を巡るちょっとした騒動。あるいはお馴染みのあのお店が決断した転機など、〈東亰バンドワゴン〉がある〈通り〉の様々なお店や人たちの物語が進行していきます。
 古いものと新しいものが混在する堀田家のある下町ですが、変わるものと変わらないもの、その二つがいつまでもいつまでも美しい形で存在していけるならば、それはそれは良き人々の暮らしを生み出す場所になっていくはずです。
〈東亰バンドワゴン〉は何十年も変わらずにこの〈通り〉に存在し続けていますが、さてこれからのここの通りはどうなっていくのでしょうか、などというところも物語の中で描いてみました。
 余談になりますが、書きながら「あー、ここの〈通り〉の名前を最初に付けておけばよかったなー」と思いました(笑)。残念ながら今更になってしまいますので、名無しの通りのままですね。

 この文章を書いているのは二〇二三年の四月頭です。

 世界を変えてしまったかのようなコロナ禍は、どうやら落ち着くところへ落ち着かせようとしているようです。始まってしまった戦争は、いまだ終わりを見せることもなく世界中を静かに遠く巻き込みながら続いています。
 〈東京バンドワゴン〉は、テレビの〈ホームドラマ〉に捧げた、堀田家とそこに集う人たちの物語です。皆さんの人生とそれほど変わりはない日々が、いろいろあっても最後には誰もがそうあって欲しいと願う笑顔で終わる形で綴られていきます。  その堀田家の皆の笑顔が、皆さんの毎日に楽しさや明るさを少しでも添えられれば幸せです。よし、明日も頑張ろう! と思っていただければさらに嬉しいです。
 どうぞ今回も堀田家をよろしくお願いします。

☆堀田家の我南人が情報バラエティ番組に出演!? そして迎える“大引っ越し大会”。慌ただしい日々の中、かつて閉店したお店の謎や、突然の放火疑惑、大事な家族のメンバーとの別れが…。

 東京のやたらお寺が多い辺りの下町で、古書店〈東亰バンドワゴン〉を営む堀田家の日々をお届けする〈東京バンドワゴン〉シリーズ。今年で十八作目になりました。
 一作目『東京バンドワゴン』を書いてから十八年が過ぎてしまったわけですね。生まれた子供が高校を卒業しちゃうまでになってしまいました。
 毎回、同じことしか言えないのが悔しいのですが、こんなにも長く続けてこられたのは、もちろん集英社の〈チーム東京バンドワゴン〉あってのことですが、応援してくれる書店員さんたちの存在も大きく、何よりも毎年春の発売を楽しみにしてくれている読者の皆さんのお蔭です。本当に、ありがとうございます。
 すっかり恒例の〈シリーズについての説明〉ですが、このシリーズは〈堀田家の今の一年〉を描く〈本編〉が三作続き、〈主に過去の時代の堀田家など〉を描く〈番外編〉を一作挟むという形で続いています。今回は三作続く〈本編〉の真ん中です。予定では来年もう一作〈本編〉を書いて、記念すべき二十作目、第二十弾は〈番外編〉になりますね。
 そしてもうひとつ、物語の中ではほぼ毎年ひとつずつ年を重ねている〈堀田家〉ですが、二巻に亘って同じ季節を重ねつつ〈番外編〉を挟みますから、皆さんよりも数年前を生きています。なので、堀田家の世界にコロナ禍が訪れるのはもう少し先ですが、果たして本当に訪れるかどうかはまだわかりません。
 十八作目になる今回の新刊のタイトルは『ペニー・レイン 東京バンドワゴン』です。
 本編ですからいつものビートルズナンバーです。〈レイン〉となると日本人はどうしても〈雨〉を思ってしまうのですが、曲の原題は〈Penny Lane〉つまり無理やり日本語にすると〈銅貨通り〉で町の〈通り〉の名前なんですね。ならば〈ペニー・レーン〉と表記したくなりますが、日本での正式な曲名表記が〈ペニー・レイン〉なのですよ。
 今回はそのタイトル通り、〈東亰バンドワゴン〉と堀田家がある下町の〈通り〉を主役にした物語になりました。
 読者の方はご存知の通り、堀田家周辺ではこの春に多くの引っ越しを控えています。ならばビートルズも歌う〈懐しいあの通り〉という〈ペニー・レイン〉に乗せて、堀田家がある〈通り〉のご近所さんたちのことをきちんと書いてみようと思いました。今までも物語の中で、ご近所に多く存在するお店のことはちょこちょこと書いていましたが、メインにすることはありませんでしたからね。
 コアな読者しか覚えていないような、名前だけは出してきたたくさんのご近所のお店の最近の様子や、新しく訪れる人たちを巻き込んだ、かつて存在したお店を巡るちょっとした騒動。あるいはお馴染みのあのお店が決断した転機など、〈東亰バンドワゴン〉がある〈通り〉の様々なお店や人たちの物語が進行していきます。
 古いものと新しいものが混在する堀田家のある下町ですが、変わるものと変わらないもの、その二つがいつまでもいつまでも美しい形で存在していけるならば、それはそれは良き人々の暮らしを生み出す場所になっていくはずです。
〈東亰バンドワゴン〉は何十年も変わらずにこの〈通り〉に存在し続けていますが、さてこれからのここの通りはどうなっていくのでしょうか、などというところも物語の中で描いてみました。
 余談になりますが、書きながら「あー、ここの〈通り〉の名前を最初に付けておけばよかったなー」と思いました(笑)。残念ながら今更になってしまいますので、名無しの通りのままですね。

 この文章を書いているのは二〇二三年の四月頭です。

 世界を変えてしまったかのようなコロナ禍は、どうやら落ち着くところへ落ち着かせようとしているようです。始まってしまった戦争は、いまだ終わりを見せることもなく世界中を静かに遠く巻き込みながら続いています。
 〈東京バンドワゴン〉は、テレビの〈ホームドラマ〉に捧げた、堀田家とそこに集う人たちの物語です。皆さんの人生とそれほど変わりはない日々が、いろいろあっても最後には誰もがそうあって欲しいと願う笑顔で終わる形で綴られていきます。  その堀田家の皆の笑顔が、皆さんの毎日に楽しさや明るさを少しでも添えられれば幸せです。よし、明日も頑張ろう! と思っていただければさらに嬉しいです。
 どうぞ今回も堀田家をよろしくお願いします。