とある理由から回収処分され、一冊のみ堀田家の蔵に封印された〈呪いの目録〉を巡り、堀田家に騒動が巻き起こる。さらには、英国の元秘密情報部員が書いた〈私家版〉を奪還するため、「007」がやってきて!?問題解決のためイギリスへ飛んだ勘一、我南人、紺、マードックの4人を待ち受けるものとは─。シリーズ開始から10年、壮大なスケールで描く大家族堀田家の物語。

 『東京バンドワゴン』シリーズも今回で十一作目になりました。つまり一作目の『東京バンドワゴン』を出してから十周年という記念すべき年を迎えることになりました。まさか、こんなにも続く物語に育ってしまうとは思いもしませんでした。実は今でもどうしてこんなにと不思議に思うことがあります。
 ひとえに〈堀田家〉の毎日を見守ってくださり、そしてLOVEを与えてくださっている読者の皆さんと、売ってくださる書店さんのお陰です。本当に、本当にありがとうございます。
 さて、十周年を迎えた今回の新刊は『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 東京バンドワゴン』です。
 いつも通りに、前作のすぐ何日か後からの堀田家の四季の出来事を追っていきます。
 が、せっかくの十周年です。担当編集さんと何か少し特別なことをしたいねと話し合い、今までもちらちらと話に出してはいて、マードックを夫に持つ藍子や若い花陽、研人は既に一度行ってたのですが、実現していなかった勘一の〈海外ロケ〉(笑)を行いました。年齢からしてもうこれが本当にギリギリだったのではないかというタイミングで、イギリスはロンドンへ勘一が旅をします。水戸黄門よろしくお供に助さん格さん風車の弥七ならぬ、我南人と紺とマードックを引き連れ、どんな顛末の物語になったかはどうぞ本編をお楽しみください。
 タイトルはいつものようにビートルズの曲です。長く曲がりくねった道、というふうによく訳されますが、僕はこれを、大人になった男たちがふと振り返ったときに「随分とまぁ荒れた道をよくぞこんなに遠くまで歩いてきたもんだ」と述懐しているのではないかと解釈しています。〈思えば遠くへ来たもんだ〉という言い回しがありますが、それと同じです。
 人が生きていく毎日が平坦なものであるはずがありません。山あり谷あり荒地ありに時には大きく迂回もするでしょう。それでも、ただひたすら前を向き歩いていく、自分の人生を自分の手で切り開き自分の足で歩いていく。だからこそその後ろには〈長く曲がりくねった道〉ができあがる。そしてまた、前を向き歩いていく。そういう思いを込めた物語にしたつもりです。
 そして、以前に書いた『レディ・マドンナ 東京バンドワゴン』は堀田家と堀田家を取り巻く女性たちの強さと優しさを描きましたが、それと対を為すように、堀田家の男たちの思いを描きました。
 この物語が、皆さんの日々の暮らしに、ほんの少しでも楽しさや明るさを添えられればそれだけで幸せです。さぁ明日も頑張ろう! と思ってくださればさらに嬉しいです。
 どうぞ今回も堀田家をよろしくお願いします。