下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家が人情溢れる方法で解き明かしていく人気シリーズの第9弾。
古書店を舞台にした青の出演映画が公開になり、相変わらず賑やかな堀田家。
中学3年生になった研人はますます音楽に夢中。ミュージシャンになりたい想いが募り、なんと「高校に行かずにイギリスへ渡る」と宣言!
  さて堀田家の面々の反応は……?
勇気を持って人生に立ち向かう人々を、「LOVEだねぇ」の心意気であたたかく包み込む、待望の最新作!

 毎回言っているお馴染みの台詞になりましたが、『東京バンドワゴン』シリーズも今回で九作目になりました。こうして毎年堀田家のあれこれをお届けできるのは、このシリーズを愛してくださった読者の皆さんと、売ってくださる書店さんのお陰です。本当にありがとうございます。
 さて、今年の新刊『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン』は前作の番外編を経ての本編です。
 皆さんご存じの通り、昨年十月にはこの〈東京バンドワゴンシリーズ〉を原作にしたテレビドラマ『東京バンドワゴン 下町大家族物語』が放映されました。たくさんのスタッフとそしてキャストの皆さんに愛されて作られたドラマは、原作者の贔屓目抜きにしてとても良い〈ホームドラマ〉になっていたと思っています。この本が出るとほぼ同時にDVDBOXも発売されます。既に放映時にご覧になられた方もまだの方も、ぜひ楽しんでいただきたいです。本当に、良いドラマですから。
 そんな風にお祭りのような日々が続き、この新刊を書くにあたって「さて」と考えました。〈決してテレビドラマを意識してはいけない。あくまでも、『レディ・マドンナ 東京バンドワゴン』の続きを、あの日の翌日からどんな風に〈堀田家〉が過ごしてきたかを書くだけだよ〉と言い聞かせました。〈いつものように〉することがこの物語の基本ですからね。
 実は、今回のテーマと言うか、メインになる出来事はかなり前から決めていました。花陽や研人が大きくなってくればこういうことも起こるだろうなぁ、どうやって解決させようかなぁと密かに楽しみにしていた些細な事件を、いつものように賑やかに楽しく書きました。ぜひ本編を読んで確かめてください。
 でも、〈いつものように〉、と言ってもせっかくテレビドラマになったんです。記念に、ちょっとぐらい何かを取り入れてもいいんじゃないかなぁと思い、〈テレビドラマの東京バンドワゴン〉を連想させるような場面もほんの少しだけ、香り付け程度に盛り込んでみました。どこに仕掛けたかもお楽しみに。
 テレビドラマ化を経てますますパワーアップしているはずの〈東京バンドワゴンシリーズ〉はここからまた三冊本編が続き、そして四年後に番外編を書き、さらにまた三冊本編、とどこまでも書き続ける予定でいます。
 よろしければ、どうぞご一緒に楽しんでください。